リアル1984年

ニッポンの思想 (講談社現代新書)

ニッポンの思想 (講談社現代新書)

高校野球と世界陸上でTV観戦が忙しく、ブログ更新もおろそかに。
花巻東の菊池はいいピッチャーだと騒がれていたが、
なんのなんのチーム自体もいいチームじゃん。


『ニッポンの思想』佐々木敦著を合間に読了。
浅田彰中沢新一蓮實重彦柄谷行人福田和也宮台真司
大塚英志から東浩紀まで」日本の現代思想の変遷が
ざっくりと理解できる本。
人選にはいちゃもんをつける人がいるかもしれない。
中村雄二郎がいないとか、内田樹がいないとか。
いわゆるニューアカブームのとき、作者は大学生だったそうだ。
ぼくは、20代後半か。覚えてる、覚えてる。
読んでいてなぜか小林信彦の『日本の喜劇人』に似ていると思った。
読んでからの率直な感想は、なんだか日本の思想・批評界って
日本のプロレス業界の流れに似ているとも。
理想を掲げて分裂を繰り返して、小粒になって、
何がなんだかわからなくなって今に至るというところが。
この本を読むと、東浩紀の「ひとり勝ち」状態だそうだ。
よくわからない「ゼロ年代」に多大な影響を与え。
どおりで東の画像を見るたびに肥沃化、膨張していっているのか。


1984年、あなたは何をしていましたか?
ちょっととだけ1984年前後の出来事を、ランダムに。


1983年
浅田彰『構造と力――記号論を超えて』(勁草書房
中沢新一チベットモーツァルト』(せりか書房
イエロー・マジック・オーケストラ『浮気なぼくら - NAUGHTY BOYS』
蓮實重彦『映画 誘惑のエクリチュール』 (冬樹社)


1984年
浅田彰『逃走論――スキゾ・キッズの冒険』(筑摩書房)
蓮實重彦『物語批判序説』(中央公論社)


1984年の『海』廃刊後、安原は、売れ行き不振で
廃刊直前の『マリ・クレール』に、同年6月号から副編集長となる。
「書評欄」を新設して好評を得て、さらに1984年9月号で「特集:読書の快楽」を
企画したところ、当時は「ニューアカ」ブームで
「知がおしゃれ」だったことも追い風となり、雑誌は完売となる。
以降も同様の路線を続け、女性ファッション誌を、
伝説的な「知的な思想・文芸雑誌」に変貌させる。
安原顯 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より


エリマキトカゲが三菱・ミラージュのテレビCMに起用され、
話題になったのが、1984年。
このときの糸井重里の作ったコピーが「ベイビー、逃げるんだ」。
って、まんま『逃走論』じゃん。
話題にはなったが、肝心のクルマ自体はさほど売れず、
CMのあり方が問題となった。
いまなら広告・CM関連のブログで喧々諤々かも。
・新紙幣に切り替え
・グリコ森永事件


1985年
浅田彰『ヘルメスの音楽』(筑摩書房)
中沢新一『雪片曲線論』(青土社)
柄谷行人『批評とポストモダン』(福武書店)
柄谷行人『内省と遡行』(講談社)


人気blogランキングへ