- 作者: 古谷利裕
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2008/06/25
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 95回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
やるべきこと。
本の企画のブラッシュアップと引き続き、某社への新規企画の提案。
新規の方は、2つばかりネタがあるんだけど、
タイトルと具体的なコンテンツ案が、決まらない。
ライター競合の原稿は送稿済み。
今月末に結論が出る予定。どうなることやら。
で、7月取材予定のWebでのシリーズ対談原稿は、
来週、クライアントの担当者とプロデューサーとぼくとで
構成とインタビュー項目の詰めをやるそうだ。
『偽日記@はてな』の作者、
古谷利裕の『世界へと滲み出す脳』を読む。
ブログだろうが、本だろうが、どっから読んでも、変わらない文章。
同じ体温。同じテンション。
なじんでくると、ミニマルミュージックを聴いているときのような、
心地よさを感じる。こんなとこ。
「作品=物質とは、「上手に思い出す」(小林秀雄)ための装置であり、
「思い出」されるイメージの強さ(正当性)は、過去=起源に属するのではなく、
それを思い出している「現在」にこそ属する」
ゆえに「イメージは既に複製である」と。
「橋本にとっては、家や土地は、そこに住む人々(家族)の関係や歴史、
その固有性と切り離すことができない。対して保坂は、そのような家や土地の
固有性から距離をとって抽象化するために様々な装置を使用し、その抽象化(保留)する
技芸において優れた小説家であると言えよう」
なぜそうなのか。橋本が東京原住民だからなんだろうと思う。
森まゆみの書くものに対して、やはり東京原住民である小林信彦が
家の間取りにこだわるのは、東京生まれだからと書いてあったが、
そういうことだろう。
保坂は逆に限定せず、グラデーションかなんかでうまくぼかして、
普遍的な、というのか時代のリアリティを出しているんだろう。
画家の書く文章というよりも、Webで作品を見る限りでは、
絵よりも文章の方が魅力的。失礼な言い方かもしれないが。