つなげれば、つながる

つなげる力

つなげる力

昨日は、打ち合わせで築地方面へ。
帰りに渋谷で下車してタワーレコード、
ブックファーストなど一寸道草。


今日は資料をもう一度、読みつつ、『つなげる力』藤原和博著を読む。
作者は「前杉並区立和田中学校校長」。
公立中学校と学習塾をつなげた「夜スペ」など話題となったが、
校長として行ったことは、つなげること。
学校でできなければ、PTAやボランティアなど
外部の力を借りる。つなげる。
ネットワークといってもよいだろう。
学校のディスクロ−ジャーだ。
図書館や学校の環境整備など金がないなら知恵を出せ。
その数々の事例が取り上げられている。
「三人寄れば文殊の知恵」というではないか。
ま、「船頭多くして船山へ上る」という真逆の場合もあるが。


公立中学校は、いわゆる落ちこぼれ生徒にフォーカスを当ててきた。
しかし、「吹きこぼれ」、5段階評価で4や5のできの良い生徒には
なかなか教師の手が回らない。
よって

「ちょっと経済的にゆとりがあると、私立の中高一貫校の入れる流れが
できてしまった」

と。
苦手科目のある生徒には、「土てら(土曜寺子屋)」、
「吹きこぼれ」の生徒には、「夜スペ」を展開した。
だって優秀な都立高って自校問題(独自で試験問題を出題)で、
それなりの傾向と対策を講じておかないと突破は難しいとか。
同質のクラスターで形成されるのが、私立校の魅力なら、
異質のクラスター、優等生もガキ大将も混在しているのが公立校の魅力だし。


「教育現場の正解主義を払拭せよ」という章もなるほどと思った。
「試行錯誤の中で、「正解」ではなく「納得解(自分自身が納得でき、かつ、
かかわる他人も納得する解)」を見つけ出す訓練である。
まず、やってみて、それから無限に修正していくやり方だ」

ちょっと前にお題目のようにいわれていた「生きる力」は、
実際、このようなメソッドで身につけていくんじゃないだろうか。
ビジネスマン時代のノウハウで民間出身の校長が公立学校を変革するというと、
とかく誤解されやすいが、基本は人間対人間である。
で、作者はいまは、そのノウハウを引っさげ大阪の教育改革に取り組みはじめたそうだ。


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