B級グルメ

思想地図〈vol.1〉特集・日本 (NHKブックス別巻)

思想地図〈vol.1〉特集・日本 (NHKブックス別巻)

偶然というか、資料探しをしていて、
久々に読んだ佐藤亜紀の日記2008.10.10で、
このような一文に出会った。

「宇野氏にしても、宇野氏が目の敵にする東浩紀にしても、結局やっていることは
B級グルメである。B級と言ってもどこぞの商店街の肉屋さんのコロッケがうまい、
とかそういう、昭和の御代の低回趣味的なB級グルメではなく、すかいらーくとかデニーズとかの話だ。
それはまあそれで面白くないこともないのだが、すかいらーくやデニーズを論じることだけが
食を論じることだと言い始めるからおかしなことになってくる。」

言い得て妙である。
ネットの中にあることだけが、すべてだと思っている。
学校や会社の中だけが、世界だと思っている。
あるいは、好きなミュージシャンのCDなどを話すとき、
プロデューサーやバックミュージシャンの蘊蓄をたれる輩、などなど。


ただし、サブカル=B級というのもなんつーかステロタイプというのか、
アカデミック至上主義的というのか。
いまメインカルチャーなんてあるのか。その屍のようなものはあるかもしれない。
じゃあメインカルチャーが廃れたんで、サブカルでいいじゃんってものでもないし。
ぼく自身は、B級フード、大好きなんですけど。


なんで引用したかというと、『思想地図』東浩紀・北田暁広編を読んだから。
現代思想の幕の内弁当か鉱物見本のような本。
読むことを拒否するかのような、ぎちぎちの詰まり具合。
編集者はさぞかし大変だったろうなと思う。
次は、何かと話題の『ゼロ年代の想像力宇野常寛(佐藤亜紀が取り上げている「宇野氏」)著を
読もうと思っているのだが。


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