痒い、眠い

オルフェオ

オルフェオ

朝が早くなって来た。
透明な柔らかな光は春を思わせるが、
ちょっとだけよ~んと今日は冬。
目が痒い、耳が痒い。

オルフェオリチャード・パワーズ著を読む。
ウィトゲンシュタインが書いたような小説。
もっとも、ウィトゲンシュタインが小説を書くことは有り得ないが。
あるいは村上春樹の小説の偏差値を高くして
ポピュラリティとセックスを抜いたような作品。
「微生物の遺伝子に音楽を試みる現代音楽家」が主人公。
果たしてそれは、「バイオテロ」なのか。

にしても四六時中、自分の音楽を求めている男。
数学者が解けない数式を解こうとしている如く。
モーツァルトマーラーからケージまで。
さらにロックまであらゆる音楽が詰まっている。
実際、作者も音楽をプレイするそうで。

時折、出て来るアフォリスムが魅力的。

「生命とは、相互感染以外の何ものでもない。そして全ての
メッセージは感染する際、相手のメッセージを書き換えてしまう」

 

「文法はあるが、辞書はない。何かは分かるが、意味はない。
差し迫ってはいるが、必要性はない。それが音楽と細胞の化学だ」

 


深読み不要。ただ単にかっこいい。

もしそれがテロならば、その動機は。
でも、動機なんてないかも。
動機は跡付け。
ふとユナ・ボマーを思い出した。
優れた数学者でありながら爆弾魔。
山小屋に籠っていたところも共通している。

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