こわれもの

帰還兵はなぜ自殺するのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

帰還兵はなぜ自殺するのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

『帰還兵はなぜ自殺するのか』ディヴィッド・フィンケル著を読んだ。
イラク戦争の帰還兵が壊れて、自死するまでを、クールに描く。
ニュージャーナリズムか。ええとカポーティの『冷血』、
ピンと来ない人は週刊新潮の「黒い報告書」。
要するに、取材や記事などから、見てきたようなウソをつくというスタイル。
あ、誉め言葉、最大の。
ストーリー毎に、本人や親しい人の写真が掲載されている。
はじめは気がつかなかったのだが、
モノクロ写真1枚あるかないかでリアリティが全く違う。

原発メルトダウンして残留放射能が留まるように、
戦争、戦場での出来事は、徐々に心身を蝕んでいく。
戦争は死に至る病と言ってもいいだろう。
帰ってきたら別人だった。

アメリカの10年後が日本だとか言われているし。
実際、下記のような記事を目にすると、
戦場では後方支援だから安全だななんて詭弁じゃんと思える。
サイコセラピーが普及しているアメリカでは、
心が病んだ帰還兵をいろいろケアしていることも知った。
でも…。
世界の警察官を退官したくて
戦争依存症を寛解したくて
日本などに強制しているのかも。

自衛隊「イラク派遣隊員」帰国後に28人が自殺してた!恐怖と緊張解けず精神不安や睡眠障害 J-CASTニュース

小豆島・両親殺害の無職長男はイラク派遣の“帰還兵”だった  日刊ゲンダイ

平和や正義とか大義のために、
人生を、家族を、将来を蹂躙される。
再び。
ヤバイなあ。

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