なかった市場をつくり、先行者利益をいただくのが「ブルー・オーシャン」

 

 

『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』W・チャン・キム+レム・モボルニュ著を読む。

 

要するに同じ土俵(市場)で勝負するな。勝負するなら、違う土俵、「未開拓の新市場」で。従来の市場でパイの取り合いをする戦略を「レッド・オーシャン」(各社ときには出血大サービスするからかな)といい、なかった市場をつくり、一番乗りしておいしいとこをいただくのが「ブルー・オーシャン」と呼ぶ。

 

なんだ、そういうことか。いろんな『ブルー・オーシャン戦略』の例や分析・策定・実行までを取り上げているが、新鮮味はさほど感じられない。だってマーケティングじゃ、わりとポピュラーな手法だもの。

 

なんか例を挙げよう。若い女性対象のカップ麺を開発するとしよう。従来のカップ麺は男性向け、添加物のかたまりという印象が強かったが、できるだけ無添加の素材、おしゃれなパッケージ及びネーミングにして、洋風イメージで展開する。
で、ここがミソ。売場を即席麺・カップ麺売場ではなく、スープ売場に陳列してもらう。低農薬野菜売場にも陳列して、旬の野菜を加えたオリジナルレシピを提案したPOPやメニューカードもディスプレイしてもらう。健康食品売場でもいい。


CVSではサラダ・惣菜コーナーのそばとか。OLのランチの定番化を目指して。食べるヌードルスープといったイメージで。

 

とはいえ、「ブルー・オーシャン」の命は短くて類似製品が投入されて、たちまち「レッド・オーシャン」化してしまう。柳の下にドジョウは何匹もいないわけで。


ご丁寧に冒頭あたりで『ビジョナリー・カンパニー』のコンセプトを、あと出しジャンケンさながら批判しているが、まあどんなに優れた企業とて栄枯衰勢はあるわけで、的はずれ。たとえば、日本企業で唯一、ビジョナリー・カンパニーとして紹介されていたソニーとか。


『ビジョナリー・カンパニー』と比べると、ちょっと期待はずれの内容かもね。

 

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