『暗号通貨vs.国家』 感想-1

 

暗号通貨VS.国家 ビットコインは終わらない (SB新書)

暗号通貨VS.国家 ビットコインは終わらない (SB新書)

 

 

『暗号通貨vs.国家 ビットコインは終わらない』坂井豊著を読む。

ビットコインバブルで「億り人」になった人がいて話題になった。
でも、バブルははじけてしまった。

 

ビットコインなど暗号通貨は「あやしくない」「面白いものだ」と
作者は言う。

 

この手の話は枚挙に暇がない。
陸蒸気と呼ばれる蒸気機関車は当初、機関車からの火の粉で家が火事になるなどと
忌み嫌われた。

 

インターネットの広告費がTVCMの広告費を抜くことが確実になった今も
ネットはいかがわしい。あてにならない。と思われている人も少なくないだろう。
でもそういう姿勢はネットだろうがマスメディアだろうが必要だけど。

この本は投機商品じゃなくて新しい通貨としての暗号通貨の魅力や可能性が書かれている。

 

「マイナー」でもある作者は自らの実体験を通してブロックチェーン
良し悪しを考察する。

 

暗号通貨に至るまでの流れが紹介されているが、多数決が活用されている。
フランスの数学者コンドルセの「陪審定理」を引きつつ、

陪審員3人のうち2人が有罪と判断するなら、全体として有罪と判断する。コンドルセは、多数派の判断のほうが、正しい確率が高いからそうすればよいという」

ビットコインには「陪審定理」が反映されていると。

 

ビットコインが出てからビットコインの課題を克服してより良い暗号通貨を目指して
新たな暗号通貨が分岐してきた。
生物が大爆発したカンブリア紀みたいに。
これはビットコインオープンソースだったから。
このあたりのツリー図は、ふと新興宗教や日本の学生運動のそれと似ていると思った。

 

暗号通貨が反政府、 反中央銀行を実現するとアナーキーに叫んでいるわけではない。
しかしもし

ビットコインが主流となった経済では、国家が発行するお金に大した価値はない。戦費が調達できないと、戦争はできない。」


想像するだに愉快。
暗号通貨はP2P

「国家に過度に集中した力を世のなかに分散させていくものだ。―略―
近代社会が国家に押し付けすぎた負担を、少し軽くしようということだ」

 

ビットコインバブルで「億り人」が出たと書いたが、
現在暗号通貨の利益は、最高税率55%の総合課税だから
きちんと確定申告している人は半分以上を納税しなければならない。
実質半「億り人」。FXと同等の20%の分離課税を。
というのも普及には必要だろう。

 

ビットコインの創造主サトシ・ナカモトの論文が日本語で読める。
日本語で読むビットコイン原論文 [by Satoshi Nakamoto]
https://coincheck.blog/292

 

ここから始まった。

 

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