くしゃみを連発

半分世界 (創元日本SF叢書)

半分世界 (創元日本SF叢書)


朝、くしゃみを連発。
そろそろ花粉の季節か。
中高からの長いつきあい。
つきあう気はないんだけど。

『半分世界』石川宗生著を読む。
読んでいてなんとなく影響を受けた作品は
想像できるが、テイストの違った4篇は、
どう形容すればいいんだろう。
イデアというか小説の設計図というか
一枚絵がふと浮かぶ。
それをきちんと作品に仕立て上げるのには、
センスと諦めない忍耐力、時には強引な力技も必要とされる。

『吉田同名』
吉田大輔が増殖した話。
『おそ松くん』は六つ子だったが、それどこではない。
おっさんが突然、大量繁殖する。
そのドタバタ、パニックぶりに感心させられる。


『半分世界』
ルパン三世』の石川五右衛門斬鉄剣で切ったように
真っ二つの家。遮るものはなく、私生活が大公開。
一億総監視下社会、一億総ワイドショー化社会を揶揄したような作品。


『白黒ダービー小史』
ガルシアマルケスあたりを下敷きにしたかと思われる話。
でもおそろしく馬鹿々々しい話。賛辞。
白と黒のツートーンの町ってドローン映像で見ると
現代アートだろうな。


『バス停夜想曲、あるいはロッタリー』
舞台は中米か南米かを想像した。
埃っぽい乾いた道を
走るサイケなカラーリングのバス。
熱気、体臭、濃厚な香水、煙草。
次にいつ来るかは誰も知らないバス。
地獄か天国か。
どちらもイエスでノーな世界。

人気blogランキング