- 作者: シャーリィジャクスン,Shirley Jackson,市田泉
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/08/25
- メディア: 文庫
- 購入: 8人 クリック: 73回
- この商品を含むブログ (115件) を見る
『ずっとお城で暮らしてる』シャーリィ・ジャクスン著を読む。
広大な敷地、お城のような屋敷に住んでいる姉妹。
親たちは不審の死を遂げ、地元民から好奇の対象となっている。
引きこもりの姉。食料と図書館へ本を貸し借りに下界へ出る妹。
妹の妄想から生まれる理想郷、美の王国。
欠けたティーカップも素晴らしいティーカップに思える、
少女のイマジネーション。
王国にやってきた従兄。
親しくしようと装いながらも
心の奥底では排除の炎が強くなっていく。
話が進むにつれ狂気の度合いが強くなっていく。
「人を殺してみたかった」という女子大生とか、
ゴミ屋敷に住む老婆の姉妹とか。
ガーリッシュ・ホラーとでも言えばいいのだろうか。
世界は少女文学の王道なんだけど。
目玉の取れかけた人形を愛する一方で
勝手に贈られた着せ替え人形が気に入らず
首をもぐとか。
アールヌーヴォーチックな少女漫画とでも。
崩壊しかけた屋敷が姉妹のお城の完成形とは。
思うだに怖い。可愛い。
カワコワイイ。
桜庭一樹の解説が、さすがに上手で、
かつファンの熱気みたいなものを
感じさせた。ただ、『くじ』も、この本も
ネタバレしていて、どうなんだろうと思う。
良い子は絶対本編を読んでから読んでね。
読まないで宿題の読書感想文を書くならば、OK。
「読書感想文になるかい!!」ノリツッコミ。