四重奏 カルテット

四重奏 カルテット

四重奏 カルテット

『四重奏 カルテット』小林信彦著を読んだ。
ファンなら知っている、『ヒッチコックマガジン』編集長から
作家へのスタートを切らざるをえなかった頃の話。
ほろ苦い小説で、シンクロ率120%してしまう。
ヒッチコックマガジン』の一ルーツといえる『新青年』や
版元の博文館のこと、当時の推理小説のポジションなどを
知ることができる。
にしても、まだルサンチマンは、鎮まっていないのか。
その粘着気質的なものが持続しないと、
作家なんてつとまらないのかもしれない。
最後の『男たちの輪』で
いまは、新宿西口に林立する超高層ビル群だが、
かつては「新宿西口淀橋浄水場跡地の原っぱ」だった。
建設予定地で来し方行く末を語り合う二人の男のシーンは、苦いゼ。


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