- 作者: ジョナサン・ジットレイン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 新書
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すごい雨。いつも朝仕事は、自転車なんだけど、
一駅、電車で行く。駅に着くまでにズブ濡れ。
『インターネットが死ぬ日』ジョナサン・ジットレイン著の読書メモ。
日常的に報道されているネット犯罪。サイバー犯罪。
それによりインターネットが必要以上に悪者になって、それこそ国家の何らかしらの介入などが
あれば、インターネットがいままで「生み出す力」は、抹殺されてしまうと。
塩素滅菌された水道水の人工池に放流された川魚のように。
果たして作者の杞憂なのか、そうでないのか。
「人々が肥沃なシステムを放棄あるいは改変して不毛なシステムを手にし、肥沃なシステムが
死んでしまうおそれもある。−略−中立的なインターネット上にオープンなパソコンが
なくては、(ウィキペディアのような−筆者加筆)ベンチャーの成立は困難になるのだ」
ネットは諸刃の刃だと言う。なるほどと思うが、
これは別段インターネットに限定される喩えではない。
包丁だって、野菜や肉を切るのには欠かせないが、人を殺す道具にもなる。
ネット性善説か、ネット性悪説か。
インターネットリテラシーか。
「今のオンラインは道路標識廃止システムの半分だけが実現されたような環境である。
ルールとして認知されていることはないに等しい」
「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」など、どうなるのだろう。
「口コミシステムの中核となるのは、システムの裏をかこうとする人よりも
誠実に評価する人のほうがはるかに多いこと、また、裏をかこうとするロボット
(ロボット型検索エンジンのこと?)が排除できることである」
「口コミシステムは、今後個別の取引における個人の行動を評価したり、
推奨する商品やコンテンツを決めたりするだけでなく、個人そのものを
評価するものとなってゆくだろう」
だって。属性、履歴、タグ。で、口コミ。
「個人そのものを評価するもの」って正しく評価できるのだろうか。
タイトルがうまいと思った。
でもタイトルから連想されるようなディストピア的コケ脅し内容ではなく、
まじめな内容。
読んでて気になったのがしょっちゅう出てくる「肥沃」という言葉。
ほかに良いというかフィットする日本語はなかったのだろうか。
それとも訳者の狙いとか。