東京港見物

午後から船の科学館へ行って、サンセットクルーズの申込みをする。
船好きの妻がハガキを出して当たったもので、500円で東京湾が眺められるのはありがたい。
待ち時間の間、羊蹄丸を見学する。元は青函連絡船でいまは船上博物館。
夏の北海道取材で函館のホテルがことごとく取れなくて
函館港の目の前のビジネスホテルが取れて、青函連絡船の汽笛にびっくりして
目を覚ましたことを覚えている。暑くて寝苦しい夜だった。


航路は貼り付けた図のように進む。
お台場がいまのようになる前、妻の甥たちと船の科学館に来たことがある。船だった。


船の後尾に位置取り、パノラマの東京湾景を楽しむ。
屋形船で夜、このあたりを周遊したことはあるが、夕暮れの時間帯もなかなかに雰囲気がある。
コンテナ埠頭の構図はロシア構成主義のようで、嫌いじゃない。


レインボーブリッジをくぐり、東京港の喉下へ進む。
ららぽーと豊州は石川島播磨の歴史ある造船所の跡地なのだったのか。
修復されることとなった東京海洋大学明治丸を見ながら、やがて勝鬨橋をくぐる。


このあたりは明治の初めは外人居留地だったと記憶している。
それにしてもいまは高層マンションやビルの多いこと。
これじゃビル山脈。ヒートアイランドにもなるわけだ。


海の上は、この時期、この時間帯は、ひんやりするのに。
夕暮れの勝鬨橋のフォルムが実に絵になる。
頭上に十四夜の月。十四番目の月。ユーミンの曲を思い浮かべるあたりが、オッサンだけど。


台場(幕末に江戸幕府が砲台を設置した跡)の森に黒い鳥がびっしり。
妻がオペラグラスでのぞいたら、どうやら鴉ではなく鵜の群れのようだ。
ホテルやビル、倉庫がシルエットのように見え、そこへジェット機が斜めに着陸していく。
海の匂いがする。


お台場で夕食。たまに来るけれども、空き地がことごとく駐車場になっていたのは、びっくりした。