『やっさもっさ』獅子文六著を読む。
雇われオーナーとして日々経営に追われている。
慈善事業ゆえ資金の捻出やハーフの子どもたちへの根強い偏見などもあって
悩みはつきない。
敗戦のショックか、ホームの鶏舎で鶏の飼育が生きがいとなっている。
妻に内緒で繁華街へ出向いては、
街の女性たちが外地にいる米兵との手紙の翻訳や代筆で
小銭を稼いでいる。
アメリカ人実業家とデートを重ねる。揺らぐ、心。
ほんとは、野球は好きではなくて生き方も不器用。彼がおつきあいしている女性が崎陽軒のシウマイ娘になって駅で弁当を売っている。こちらもギャラがよいから。
男はチームの遠征の行き返りに彼女からしか弁当を買わなかった。それが好印象になって。