留守居役

カストロの尻

カストロの尻


土・日は留守居役を仰せつかる。
老猫のご飯から下の世話など。遊び相手も。
ネットで鶏胸肉でのバターチキンカレーと
タンドリーチキンを検索する。
ホットケーキミックスでナンチャッテナンも。
録音しておいたNHKFMの『きらクラ!』の臨時番組

『こどクラ』を聴く。
こどくな人のためのクラシック音楽バラエティ。
MCは、“こどクラりょう”こと、ふかわりょう
かつての、ふかわのJ-WAVEの番組臭がしてよい。
特番でいいから年に数回オンエアしてくれることを望む。

カストロの尻』金井美恵子著を読む。
久しぶりの日本文学。
12の短編。
菓匠がこしらえる上生菓子のよう。
ただし、季節ではなくて人生とかを反映している。
豊饒で饒舌な文体。柔らかな感性。
本と映画と音楽とファッションと食べ物と。
どう言えばいい。シズル感がたまらない。
文章から光、影、におい、感触が伝わる。
なぜか忘れていた風景を垣間見させてくれる。
タイムワープさせてくれる。

『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』の表紙となった
岡上淑子のフォト・コラージュが贅沢に6点。
イメージを増幅させる。
「あとがきにかえて2」で作者はこう書いている。
「いつでも、「執筆中の著者兼読書中の読者」として生きたい」

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うれしくない

少年の名はジルベール

少年の名はジルベール

 

何だか2度目の真夏が来たよう。
うれしくない。
バリ島の人たちのように
早朝から働いて正午過ぎにはおしまい。
昼寝というシステムがよいのでは。
冷房が生ぬるい電車では
本を読む気にもならない。
と思ったら、一気読みさせる本と出会えた。
知ったのはTBSラジオの『東京ポッド許可局』。
学者芸人サンキュータツオが紹介していた
『少年の名はジルベール竹宮恵子著を読む。

少女漫画ファンなら「大泉サロン」の存在は有名なのだろう。
西武池袋線大泉学園の古びたアパートに
竹宮恵子萩尾望都が今でいうルームシェアをして
竹宮のプロデューサー、指南役の増山法恵
新しい少女漫画を目指す。
そこに出入りしたキラ星の如き少女漫画家たち。
少女漫画梁山泊

BL、少年愛の元祖とも言うべき
風と木の詩』が刊行されるまでの産みの苦しみ。
何せ少女漫画の編集者は、ほぼ100パー男性。
そもそも少女漫画とて男性漫画家が当初は手がけていた。
少年愛のサンプルは足穂の『少年愛の美学』と
ウィーン少年合唱団
クラスの女の子にもファンがいた。
この本には出てこないけど
ヴィスコンティの『ヴェニスに死す』とか。

1972年、竹宮、萩尾、増山と
山岸涼子の4人で行ったヨーロッパ旅行は、
創作に大いに刺激となった。
映画や雑誌でしか知らないヨーロッパを
じかに体験することは、作品にリアリティを与えたようだ。
コースがすごい。
「船でナホトカへ。シベリア鉄道でハバロフスクまで。
ハバロフスクからモスクワまでは飛行機。
モスクワから飛行機でやっとヨーロッパへ」


それから作者が抱く萩尾の才能への嫉妬。
画力、ストーリー。
自分で納得できるものがつくれない焦り、苦しみ。
これはおそらく現場を退いたからこそ、
ある程度歳月がたったからこそ吐露できるのだろう。
今は大学の学長だもんね。
両雄並び立たずと言うが、
1973年、大泉サロンは解消となる。

「萩尾さんの縦の斜線」が少女漫画界に与えたインパクト。
宮谷一彦のカケアミのようなものか。
Eテレ浦沢直樹の漫勉』で萩尾望都の漫画の描き方を取り上げていた。
驚嘆の二文字。YouTubeにあるかもしれない。

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薔薇ゾクっ

 

突如、原稿依頼。
資料がないと書けないので、
ネット、図書館で収集。
ネットからは使えそうなのを出力。
借りた本には当該箇所を項目を書いた付せんを貼る。

ヒトラーの描いた薔薇』ハーラン・エリスン著を読む。
「奇想小説」が13編。
どれも違う風味で、どれもこんなんありかという展開。
でも、どれもエリスン印。

以下ネタバレかも。
ヒトラーの描いた薔薇』
ヒトラーが画家志望で美術大学を落ちたのは有名な話。
つまらない写実が得意だったようで
いまなら漫画家のアシスタントや
アニメスタジオで背景専門とか、か。
で、この作品では地獄の門フレスコ画で薔薇を描いている。
地獄の面々がすごい。

『苦痛神』これもすごい。
文字通り全身全霊、苦痛をまとっている神族。
『アメトーク』好きなら『ヒザ神』でクスッとするが。
><BR><
『クロウトウン』
都市にある地下都市。
ロスト・ラビリンス。
失われし迷宮。
オルタネイティブが、作者の創作のキーワードかも。

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幻想文学のカテゴリー

幻想文学入門―世界幻想文学大全 (ちくま文庫)

幻想文学入門―世界幻想文学大全 (ちくま文庫)


打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
ゲリラ豪雨で見ることできず。
ヒョウを降らせたのは一説によると、
彼氏が裏切って別のコ、学年一のかわいコちゃんと浴衣姿で
花火大会に行ったことを
偶然、駅で見かけた地味なコの怨念だったらしい。
くわばら、くわばら。

幻想文学入門』東雅夫編著を読んだ。
ロジェ・カイヨワの『妖精物語からSFへ』が最もひかれた。
大学時代、芸術学の講義でロジェ・カイヨワホイジンガを知った。
ロジェ・カイヨワの『遊びと人間』、ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』は、
カルチャーショック、かなりの度合いだった。
ロジェ・カイヨワは、ジョルジュ・バタイユ
ピエール・クロソウスキー、ミシェル・レリスらと
社会学研究会を結成した。そこに、岡本太郎もメンバーだった。

どこにひかれたのか。
幻想文学のカテゴライズ、仕分けである。
このように分類している。見出しのみ引用。



「〇悪魔との契約

 

〇苦悩する魂が、その安息のために、特定の行為が果たされることを要求する

 

〇未来永劫、ひたすら駆けずりまわっていなければならぬ運命の亡霊

 

〇死神が人間の姿になって生者の間に出現する

 

〇なんとも表現のしようがなく、目にも見えないが、たしかに重さがあり、
現前している物が、人間を殺したり苦しめたりする

 

〇吸血鬼、すなわち、生者の血を吸って永遠の若さを保つ死者たち

 

〇彫像、人形、ロボットなどが突然に生命を得て、独立独歩する無敵の存在となる

 

〇妖術使いの呪いが、恐ろしい超自然の病いをひきおこす

 

〇死の国からやってきた亡霊などが、魅惑的な女性となって、男の生命を脅かす

 

〇夢と現実が入れかわる

 

〇部屋、アパルトマン、階、家、通りなどが、空間からかき消されてしまう

 

〇時間の停止、あるいは反復 」

 

 

 

根っからの分類好き。
ただしスペースオペラは、好きではないようだ。
子どもだましと。そ、そうかなあ。

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ワイルドだろ


セミの死骸を見る。
7月にも見た。
成虫となってからは短い寿命。
天寿を全うできただろうか。

昼頃、家電(いえでん)が鳴る。
セールスかと思ったら、違った。
潰れた映像企画制作会社の同僚だったプロデューサーが
亡くなったことを知らされる。
心筋梗塞だったそうだ。
鬱病パーキンソン病を患っていたことも知る。
鬱病とはまったく無縁のタイプと思っていたので意外。
ぼくより数歳年下。
天寿を全うできただろうか。合掌。

『死の鳥』ハーラン・エリスン著を読む。
偏狭なSFファンはSFじゃないとレッテル貼りをするかもしれない。
どれもこれも舌を巻く内容。
ワイルドでクールで奇抜で。
しかも嫉妬するほど面白いときている。
名訳のせいもあるけれど。
以下短い感想を。
『世界の縁にたつ都市をさまようもの』。
なんだ、このむごたらしくも豊饒なイメージは。
タイトルもパクれるかも。
『鞭打たれた犬たちのうめき』の暴力性。
打ちひしがれたこじらせ系女子のとった危機回避法とは。
『死の鳥』は、ポストモダン小説か。
しかも退屈させないんだから、すごい。
この一遍だけでも読むべし。
『ジェフティは五つ』は、厨二病ならぬ五歳病。
昔はやった言葉で言うところのピーターパン・シンドローム

解説でハーラン・エリスン筒井康隆が同い年であることを知る。
世代とかで作家をくくりたくはないが、
懐の広さ、過剰なサービス精神や過激さは
そうかと思ってしまう。

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スナノオンナ


名曲「砂の女」でネタのようなもの。

男A「砂の女

男B「小説は安部公房 

映画は岡田英次  岸田今日子 主演
監督 勅使河原宏

楽曲は作詞 松本隆 作曲・歌 鈴木茂 山下達郎カバー」

 

男A「酢なの女」

男B「酸っぱいもの好き」

 

男A「すな!の女」

男B「あれすな!これすな!と禁止好き」

 

男A「素なの女」

男B「スッピンのような化粧

素と言いながら決して素性は見せない」

 

男A「スナフキンの女」

男B「元ヤマガール」

 

男A「吸うなの女」

男B「受動喫煙許さん」

 

男A「スナックの女」

男B「ヘップサンダル 荒れた唇にショッポ」

 

男A「砂町の女」

男B「焼き鳥とホッピー天国」

 

男A「砂かぶりの女」

男B「スージョ」

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セシ盆

お盆の中日が8月15日なのに
その前にUターンラッシュ

この時期、荒稼ぎなのは、
ビアガーデンの生演奏のバンド。
セックス、ドラッグ、ロケンロールという
ポリシーに反して
ベンチャーズメドレーや
クイーンメドレー、チェッカーズメドレーや
GSメドレーを苦も無く演奏できるバンドに限るが。
あとは、お坊さん。
スーパーカブでちゃちゃっと檀家まわり。
1軒まわるたびに脳内レジスターがガチャガチャと
お布施を集計する。
羽振りがいいと
ハイヤーをチャーターしてか。

昨日は新盆で日帰り帰省。
指定席などとれるはずはなく、
でも終点が帰省先の駅という新幹線があるので
東京駅構内で駅弁とお茶を買って早めに並ぶ。
ここの弁当売店も荒稼ぎ組。
ふだんは牛丼や安いコンビニ弁当なのに、
この時ばかりと豪華有名駅弁を奮発するおとうさん。
思ってたほど混雑はひどくなかったが、
インバウンド。大荷物の外国人観光客が相変わらず多い。
旧盆時期はなるべく避けましょうと
向こうのガイドブックには書いてないのか。

クルマで迎えに来てもらう。
切れ目なく来客がある。
故人は大のビール好きゆえ
供物はプレモルと菓子。
まだ全部がかたづいたわけではないが、
一応ゴールは見えてきたようだ。
故人の話がいつの間にか
老犬、老猫の世話の話になる。

その頃、子どもは引越し。
新しいスタート。
「サラダ記念日」風に、子どもの心境を察して一首。

缶チューハイ 飲みつつ 思い出の品を みなゴミ袋に これが私の独立記念日

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