夫婦ゼンザイ

K

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昨日は、しばらくぶりに品川方面で取材の打ち合わせ。
ひょっとすると、この手の仕事が増えるかもと、言われる。
まずは、きっちりとした原稿をアップすることだ。
帰りに炎熱を逃れてアイス・カフェオレを飲みつつ談笑。


『K』三木卓著を読む。
詩人だった妻との出会いから逝去までを記したもの。
作者も詩人ゆえ、一つ屋根の下に同業者とは、
さぞかし辛いものがあったはず。
妻は、東北地方の大店に生まれ、東京のお嬢様女子大に進学して
カルチャーギャップに苦しむ。
家計管理なぞは苦手で、作者がやりくりをする。
そこから懇願されて、妻の詩集の刊行費を捻出する。


実夫婦を書いた小説というと、
開高健の『青い月曜日』や
阿佐田哲也の『離婚』や『恐婚』などを読んだ。
異なった風土・文化・生活習慣で育った二人、
赤の他人がそれぞれに時間をかけてルールを定めていく。
その決め事は、夫婦によってさまざまで、
まさに『おもろい夫婦』だろう。
編集者を辞めて筆一本で生きることにした作者は、
仕事場としてアパートを借りる。
まもなくそこが、生活の場になる。
本宅には妻と娘。
帰るのは大みそかという出稼ぎ状態。
恋愛期間が、ガムのシュガーコートされた甘い状態なら、
結婚後は甘みの抜けたガムのようなもので、
それでもしつこく噛み続ける。
ソクラテスの妻以降、悪妻ははびこっているが、
良妻賢母よりもエキセントリックな悪妻愚母の方が
夫や子どもは伸びるんじゃないかと
M気質(たぶん)のぼくは思う。


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