片隅で聴いているボブ・ディラン

 

 

何かと物入りで、高額なチケット代は到底捻出できないので、スポティファイでアルバムをかけ流しつつ、『ボブ・ディラン自伝』ボブ・ディラン著 菅野ヘッケル訳を再読する。

 

自伝でおなじみの時系列で進行している形式ではなく、ディランの思い出し書きスタイル。一つのエピソードから次々とイモヅル式で話が進んでいく。ファンには待望の本だったなんだろうな。

 

読んだとこで印象に残ったのは、シカゴからやって来たニューヨークのフォークソングシーン。知り合いの同業者の部屋で思想・哲学書を読み漁ったこと。『戦争論』で知られるクラゼヴィッツなんて意外な名前も出てくる。

 

バイク事故後、リタイア気分でウッドストックで平穏な新生活を望んで住み始めるものの、心無きファンに心の平和を乱されたこと。ファンや評論家からの過大なかつ一方的な期待、フォークの神様的扱いにゲンナリして、声や歌い方まで変えて出したアルバム『New Morning』や『Self Portrait』のことなどがつぶやくように記されている。ザ・バンドとの出会いも。

 

ボブ・ディランをはじめて知ったのって、ガロの『学生街の喫茶店』の作詞に出てきたのが、最初かもしれない。ま、そんなもんですが、一応、聴いとりました。みうらじゅんや訳者には負けます。張り合う気もないけど。ザ・バンドの方が好きだったし、そのつながりで。

 

いまにして思うと、武道館の初来日コンサートで「風に吹かれて」をレゲエヴァージョンで歌ったのも、ファンへの「期待すんなよ」のあらわれだったのかもしれない。

 

ディランのファーストアルバムのジャケットに出ていた当時のディランの恋人によく似た女子が大学にいた。もちろん、惚れた。悲しき片思い。


ボブ・ディランの『くよくよするなよ』 、原題『Don't Think Twice, It's All Right 』。
『Don't Think Twice, It's All Right 』は、ある時期、ぼくのピンチを乗り切るための呪文だった。

 

Bob Dylan - The Freewheelin' Bob Dylan (1963) FULL ALBUM Vinyl Rip


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