- 作者: シャーリイ・ジャクスン,横山茂雄,若島正,北川依子
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2016/11/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (13件) を見る
クリスマスケーキを予約しに行ったら
ほしいのは予約終了。遅かりし、由良之助。
やむなくブッシュドノエルの小を予約。
次は元日夜用の寿司の予約。
チラシ持参で行ったら、
愛想のないおばさんが元日は休みだと言う。
そういうのはチラシやWebに明記しておくべきだろう。
クレーマーだったら大変なことになるなり。
TSUTAYAに寄って手帳と資料用の新書を買って
とぼとぼ帰宅。
『鳥の巣』シャーリイ・ジャクソン著を読む。
多重人格がテーマ。
記憶喪失と多重人格は結構人気だったが、
いまは手あかがついた感じ。
冒頭の主人公が勤務する博物館の歪みのシーンに
つかまれる。歪んでいるのは、博物館の空間の歪みなのか、
彼女の心理なのか。
彼女の内部には4人の女性たちがいる。
それぞれがキャラクターが異なり、
めまぐるしくあらわれては
オレがオレが、女性だから私が、私がと、
本人のアイデンティティを脅かす。
人間の心の脆さ、危うさを描くあたりは、
いまでいうところのイヤミスの第一人者ルース・レンデルにも
つながる。アラン・ドロンが主役の『太陽がいっぱい』などの原作者。
ぼくは、モーリス・ネロ押しなのだが。
登場人物は博物館勤務の主人公と遺産を管理する叔母と
主治医のみ。
それこそ演劇化して世田谷パブリックシアターあたりで
かければ、かなりの面白い芝居になるのではないだろうか。
演技力が要求されるけど。
といっても落語家や声優は一人でいろんな役をこなすから
そうでもないか。
珍しくラストに救いがあって後味が良い。