きつねのつき

きつねのつき

きつねのつき

『きつねのつき』北野勇作著を読む。
久しぶりの北野作品。
大きな災害が起きた後の世界。
妻は心と体が乖離して引きこもっている。
主人公と幼い娘は、
何もなかったように暮らしている。
しかし、世界はまだ壊れたまま。
それは災害のせいだけではないけれど。
正常と異常の際、マージナルつーか
そのあたりの不気味さが妙味。
デヴィッド・リンチの『イレイザー・ヘッド』のような。
カフカの『変身』を不条理ととらえるけど、
出社拒否症の会社員の心象とも見れるだろう。
歪んだ風景と歪んだ登場人物。
それにしても幼い娘の会話がとてもかわいい。
散歩や公園での遊び、
保育園の行き帰りのやりとりなど
10数年前の自分と子どもの関係を思い出してしまった。
装画が、西島大介
いっそのこと、西島キャラでアニメーション化ってのは、どう?


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