- 作者: 中原早苗,田丘広
- 出版社/メーカー: ワイズ出版
- 発売日: 2009/08
- メディア: 単行本
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
予定が変わり、時間ができたので積んである本から
『女優魂 中原早苗』中原早苗・田丘広編を読む。
評判にたがわず、人柄を感じさせるインタビューに
写真や映画ポスターがふんだんの盛り込まれた楽しい本だ。
ぼくが中原早苗というと故深作欣二監督の妻とか、
役柄だと『新仁義なき戦い』で
金子信夫扮する山守組組長の妻、姐さん役がぱっと浮かぶ。
両親とも舞台俳優、おばがダンサーという家庭に生まれ、
高校のとき、女優デビューする。
若かりし頃のポスターやスチール写真を見ると、
大人っぽく、野性味というのか、ダイナミックさを感じさせる。
中原という芸名は
「田中絹代の「中」」と「原節子の「原」」から
つけたそうだ。
ともかくはっきりとした性格らしく、
インタビューに対して歯に衣着せなく、
映画監督、俳優など私見や思い出を述べている。
たとえば今村昌平は俳優を徹底的にこき使う。
深作の俳優を同様にひどい目に遭わせるが、
深作には情があるが、今村にはないとか。
気風のいい姐御肌は地でいっているのか。
でなきゃ、深作欣二の女房はつとまらなかったかも。
昔の日活映画を見ると、劇団の大物が悪役などで出ているが、
一言。「日活が劇団を喰わしていた」と。
夫が監督で売れるまでは仕事を選ばず「私が喰わしていた」と。