寂寥牛追男

と、書いて「ロンサム・カウボーイ」とルビをふる。
ブロークバック・マウンテン』を見る。
どうも男同士のラブシーンのみが話題先行していたような気がするが、
なかなかどうして、藤沢周平にも通じるような偲ぶ悲恋物語だった。
ともかく絵が美しい。カウボーイたちはまるで雑誌『GQ』か
ブルース・ウェーバーのファッション写真か、あるいは
マルボロ広告、マルボロ・カントリーのカウボーイを想像させる。
山や河の勇壮で気高く美しい風景は、エドワード・ホッパーの絵のようでもあるし。


アメリカにとっては異邦人であるこの映画の監督アン・リーは、
わが心のアメリカを撮ったのか。
マイノリティの悲哀を描こうとしたのか。
このほろ苦さやザラつく感じってどことなく
アメリカン・ニューシネマの雰囲気もあるし。


時代劇に翻案してみるのも面白い。
タイトルは、そうさな、「青山道行(せいざんみちゆき)」。
幕府の草(忍びの者)がとある奥州の藩に密偵に来て山中で遭難する。
そこをマタギの若者に助けられるとか。
その藩が幕府に内緒で金鉱を採掘しているとか。
実は草とマタギは兄弟だったりして。趣味、妄想。


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