かい〜の

エスケイプ/アブセント

エスケイプ/アブセント

昨晩は吉祥寺の「NORO」にて、
友人のイラストレーターとご子息のカナダからの一時帰国を祝う会。
オフ会というよりもなんだか懐かしい人もいて、同窓会の感じ。
ぼくも久しぶりに会った方と歓談しつつ飲み食いをして、
最後にバンドのプレイとなる。
はるか昔西荻のライブハウスに聴きにいったメンバーのはずで、
やはりなかなかの腕前で、ドゥービーブラザースやイーグルスなど、
オーバー30、40には骨の髄まで沁みこんでいる音色。


行きの電車の中で鼻血が出たのでティッシュで鼻の穴に栓をして
マスクをかけて、すましながら、
『エスケイプ/アブセント』絲山秋子著を、ほぼ読了。
相変わらずも裏街道人生をいく男が主人公。
60年代生まれなのに、なぜか過激派になって地下潜伏、逮捕、入獄で
人生のいいところをオシャカにした中年男の自分探しの旅。行き先はなぜか京都。
京都は過激派とブルースやロックが似合う町。


なら、ちゃんと大学出て有名企業に入って結婚して、子どもができて、
30年ローンで郊外に戸建買って、子どもを私立に通わせている人生が
メインストリームで素晴らしいのかというと、どうなんだろ。
ネガとポジのようなもので、この小説の主人公とて、
たぶん、ちょっとしたボタンのかけ違いが結局は、そうなってしまったという。
延々と続く男のモノローグは、セリーヌほど激しくはないが、
ミシェル・ウエルベックが好んで書きそうなキャラに似ている。
しめったノスタルジーではなくて、乾いたユーモアや哀しみが全編に漂っている。
いかがわしい世界をとことん追求すると、
そうじゃない(と思われている)世界が見えてくる。


せっかく楽しい酒で夜中風呂にも入って
猫とひと遊びしてから布団にもぐったら、数時間後、かゆくて目が覚めた。
アルコールが花粉症を悪化させてしまった。懲りないオレ。
眠れなくなって階下に下りる。
医者は好きくないが、背に腹は変えられず、朝イチで皮膚科へ駆け込む。
飲み薬と塗り薬をもらう。
午後、三軒茶屋へ行き、新しいケータイを買う。


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