んなこたない

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

ラジ&ピース

ラジ&ピース

ゴールデンウィークとは無縁な今年。
空いた時間に『人のセックスを笑うな』山崎ナオコーラ著と
『ラジ&ピース』絲山秋子著を読む。


『人のセックスを笑うな』は、作者のデビュー作。
永作博美松山ケンイチで映画化された。
年上の人妻の美術学校の講師にモデルを依頼され、
恋に陥り翻弄される年下の男。
ま、若い頃は、年上の女性に弄ばれたいと思うのは、
珍しくはない話。
うまいとは思った。タイトルとかもね。
女性の作家が、男の立場でセクシャリティを描いているのが
新しいのか。とっくに、マンガじゃそうなってるし。
当世風の薄口の味付け。
ダンナと若者が三角関係のもつれで刃傷沙汰になるとか。
んなこたない。
永作博美の結婚祝いで読んでみた。
んなこたない。


『ラジ&ピース』は、地方のFM局のパーソナリティの女性が主人公。
こちらは、人生や恋愛などにクールというのか醒めている。
臆病なわけじゃないが、自分の距離感をもって家族、
職場の同僚などと接している。
やがて、そんな距離感におかまいなしの地元の知り合いができる。
舞台が高崎や前橋。大昔、前橋のデパートの仕事で、
しばし通っていたので、読んでいて当時の風景が浮かぶ。
上越新幹線開通前の時代、高崎まで特急で行き、
タクシーで前橋に向かった。
撮影商品を前橋から新宿の会社まで運ぶ
運送会社の人の車の助手席に乗せてもらうこともあった。
関越自動車道から見える風景には、なぜか寂寥感を覚えた。
車に据付てあるテレビで友和・百恵の結婚式も見たな。
一人で生きる覚悟というのか、そういう潔さ、
ハードボイルドは読んでいて心地よい。


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