美はつくられる

今日はこのスクラップ。

「メディア費0円!」広告の、蜜と罠 ソフトバンクモバイルとユニリーバ 須田 伸

スーパーボウルCMに勝ったメディア費ゼロの「広告」

 ここで海外の事例をひとつ紹介しましょう。AdvertisingAge誌によると、
トイレタリー大手のユニリーバ 社のシャンプー関連ブランド「Dove(ダブ)」が、
YouTubeで展開しているバイラル・ムービー「 Evolution 」が、ウェブサイト
「 CampaignForRealBeauty.com 」への誘導効果で、今年2月のスーパーボウル
放送したCMの3倍以上の数字を叩きだしたということです。

 「Evolution 」は普通の女性が、メイクに加えてフォトショップなどの画像処理で
「人工美人」に仕上がっていく様を描いた75秒の映像です。

 ダブは以前から「女性雑誌やファッションブランドが広告などを通じで社会に推奨
する女性の美しさが、一般女性のセルフイメージを破壊している。ダブはそういった
虚構の世界観とは違う現実の女性たちが本来ひとりひとり持っている美を引き出し応
援するブランドです」というメッセージを発信してきました。それが「Real Beauty」
というウェブサイトの基本コンセプトになっています。

Evolution

「女性雑誌やファッションブランドが広告などを通じで社会に推奨する女性の美しさが、
一般女性のセルフイメージを破壊している。」


この部分、なんとなくカッコよくて、賛同してしまうかもしれない。
しかし、そこが狙い目、トラップで。

「ダブはそういった虚構の世界観とは違う現実の女性たちが本来ひとりひとり持っている
美を引き出し応援するブランドです」

とはいうものの、よーく考えると、それは詭弁のようなレトリックで、
アンチテーゼ的、ネガティブアプローチで、たぶん、革新的な感度の高い女性を
囲い込もうとする戦略。


モデルやタレントの宣材写真やアダルトビデオのパッケージにまんまとだまされたのは、
ぼくだけではないだろう。


バイラル・ムービー「 Evolution 」は、映像的にはとても面白い。
だってメークアップというぐらいだから、素顔というキャンパスに、それぞれが絵を描くわけで。
ただ先ほどのメッセージに賛同して「Dove(ダブ)」をドラッグストアで買うかどうかは疑問。

 米TIME誌は、その年を代表する発明を挙げる「Best Inventions 2006」において、
動画共有サービスの「YouTube」を2006年の最も優れた発明(Invention of the Year)に選出したと発表した。
(Impress Watch - 11月06日 19:40)

これは、文句なしに、そう思う。