- 作者: レベッカマカーイ,Rebecca Makkai,藤井光
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/06/29
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
『戦時の音楽』レベッカ・マカーイ著 藤井光訳を読む。
テーマは戦争と音楽。
つーと『戦場のピアニスト』のような感動ものを思うが、違う。
端正に育てられた盆栽のような短編がキラキラしている。
盆栽いじりの趣味はないが、
優れた盆栽はミクロコスモスだが、
見るものをマクロコスモスに誘う。
短篇小説も余分な枝葉を限界まで刈り取る。刈り取る。
最初はすぐに読めてしまう。でも、何回か読むと
完成された世界に魅了される。
盆栽の比喩がピンとこない人には
料理の素材に例えるのはどうだろう。
フルコースに出せるくらいの素材で
スープを提供するとか。
以下作品の短い感想をば。
『青を背景とした恋人たち』では、
なぜか現代に復活した大音楽家。
当然クラシックかと思ったら、ブルーズやジャズが気に入る。
モーツァルトならヒップホップだったりして。
その立ち姿が村上春樹の騎士団長に似ている。
『ブリーフケース』は、横暴なロシア兵に怒る老女性作家の
気概と機知を称賛したい。
『爆破犯について私たちの知るすべて』
爆破犯が読んでいた本が気になった。
かぶる。爆破犯の素質があるのか。