砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集 (講談社文芸文庫)
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/11
- メディア: 文庫
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しばらく音声データ起こしにかかっていたので、
好きなラジオも我慢して
時給仕事以外は
PCのキーボードをひたすら連打する日々。
『砂の粒 孤独な場所で』金井美恵子著を読んだ。
自選短篇集で読んだのもあるし、そうでないのもある。
短篇になると、ますます散文濃度が高くなる。
手持ちカメラを多用したヌーヴェルバーグの映像。
手ブレが映像にスピード感やリアリティを生み出している。
カメラ越しの主観映像。
Private Eyeは、私立探偵のことだが、
クライアントの依頼により
調査、即ち、覗き見る。
今だったらカンパニー松尾のAV作品とか。
ヌーヴォーロマンもロマンの形式を排除して
言葉による世界の構築を試みたが、
ぼく的には、いかんせん退屈なものが多かった。
翻訳のせいも多少はあるかも。
文芸チックな少女漫画に通じる
金井美恵子の日本語は饒舌、豊饒。
脳内映像がすぐに浮かぶ。
はは、妄想とも言うが。
「著者から読者へ」の一文を引用。
ここ、重要。試験に出ます。何の。
「小説には―一部略―それを書いた者は、「これを私が書いたのか?」と
自らに問いかけるのと同じように、私ではない書き手の書いた作品を読んでも、「これを私が書いたのか?」と、驚きの声を発することがあるのです。だから、私(たち)は書きつづけ、読みつづけるのです」
で、リンクするテキストを見つけたので
さらに引用。
「自分が書きたいのは、読んだ人の感覚を動かすための言葉であり、
意味を共有するための言葉ではない」