笑う大英帝国

『モンティパイソン』をオンエアしていたのは、BBC。
日本だとNHKで皇室パロディコントをオンエアする感じ。
有り得ない。
ガリヴァー旅行記』『不思議の国のアリス
マザー・グース』など、
おっとイーヴリン・ウォーもいる。
シュールでブラックな笑いが伝統の国。
なんなんだ、イギリスは。
と、いう疑問があるお方は、『笑う大英帝国』富山太佳夫著を
お読みになるといい。

文化や階層、立場が異なると、ズレ、ネジレ、勘違いなどが生まれる。
そしてそれらが悉く笑いのネタとなる。
笑いは、お上、権威へのレジスタンスと言えなくもないが、
まあそうシャチホコばらずに、面白かったら大口開けて腹を抱えて笑えばいい。

「本が読めて何になる?」

この名言、迷言は「ルイ十四世」だそうだ。

 

「御主人様はアホですから」

これは「執事」。ウッドハウスの『ジーブス』シリーズから
最近では『謎解きはディナーのあとで』でおなじみの台詞。
「御主人様VS執事」のやりとりから、
志村けんのバカ殿と家老のやりとりも、このパターンか。
ノブレス・オブリージュが、いかに身勝手でご都合主義であるかを
暴いていったりする。

笑いの仕掛けというか、パターンとして作者は

 

「デブ・ヤセ・シリの18世紀的な3点セット」

 



を挙げている。
デブとヤセのキャラクターというか体型の二人。
対称の妙で出て来るだけで笑いを誘うだろう。
シリ。これは巨尻。
フェリーニの映画ではないが、尻が笑いのシーンでよく出て来る。
実際に尻を見せるお下劣なシーンも。
下半身前部はいけないが、後部は寛容なのね。
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唐突だが、『狂詩 巡査行』の平井呈一の翻訳が素晴らしい。
荒俣宏の師匠、確か。
英文→漢文風→ルビ
ルビのリズムと対応する漢字が絶妙。
はっぴいえんど時代の松本隆の作詞に、ちょっと似ているかも。

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