不幸のズンドコ

大転落 (岩波文庫)

大転落 (岩波文庫)

近所で一番早く咲く中学校の前のソメイヨシノ
ツボミがふくらみ、濃いピンクをのぞかせていた。

気分転換で、『大転落』イーブリン・ウォー著を読む。
『衰亡記』とも『ポール・フェニザーの冒険』とも。
新訳はうれしいが、書名を変えるのは
読み手を混乱させるので、できればやめてほしい。
つーか、旧名で通してほしい。
不名誉な濡れ衣を着せられ、カレッジを放校処分となる主人公、

ポール・フェニーザー。
その堕ちていく私というか、不幸のズンドコ。
将来は牧師希望だったが、とりあえずパブリックスクールの教師となる。
恋に堕ち、結婚の約束をするが、直前に逮捕、幽閉の身となる。
カレッジの濃密な人間関係は、功罪相半ば。
貴族、有産階級の俗物ぶり。
そのあたりは作者の十八番。
主人公は、下るばかりのジェットコースターに乗ったかのように。
でも、脳天気なポール・フェニーザー君。
ここまでくると笑える。
コージー・ミステリー好きなあなたにも、お・す・す・め。

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