桜三月散歩道

あるマンガ家の自伝 桜三月散歩道

あるマンガ家の自伝 桜三月散歩道

取材ノート−インタビュー当日にキーワードをなぐり書きして
後日音声データで聞きなおして、極細青ペンで付記したもの−を読み直す。
なんとか増量分もつながりそうだ。


取材・原稿作成の見積依頼がメールで来る。
急ぎなのでさくさくとまとめて送る。
決まれば出張だ。
そう言えば先日、新しい仕事の打診があった。
打診でも誤診でも引き受けるしか道はない。
去年の今頃は、声すらかからなかった。


『ある漫画家の自伝 桜三月散歩道』長谷邦夫著を読む。
自伝好きとしては、読まなきゃならない一冊。
漫画少年になるまでの経緯、赤塚不二夫との出会い、
トキワ荘、少年漫画誌がメジャーになるまで。など、漫画だけじゃない。
日本のSF、山下洋輔らフリージャズ、タモリ発掘、全冷中連など
サブカル的一面も改めて知る。
作者は、赤塚不二夫のブレーン、彼の影武者としてサポートしていた。
フジオプロダクションの北見“釣りバカ日誌”けんいちや
古谷“ダメおやじ”“寄席芸人伝”三敏も
アシスタント、ブレーンだったが、
永谷は立場的には赤塚と同じ立場だったのではないだろうか。
ギャグを考え、雑誌『まんがNO.1』では実質編集長役、
批評眼も持ち、おまけに詩も小説も書くという多芸多才な人。
あるいは器用貧乏。
東京下町出身の作者には、地方出身者のハングリー精神は
ヤボの骨頂に思えたのだろうか。
酒に溺れてダメになっていき、
−というよりも赤塚ギャグが時代遅れになりつつある−
しかし正論を吐き、赤塚から疎んじられ、ついには袂を分かつ。
似た経験がありぼくには、その複雑な心情はよーくわかる。
私見だが、多才な作者にとっていちばん面白くないのが
意外なことに漫画なのだ。
『桜三月散歩道』は井上陽水の名曲だが、
作詞が長谷邦夫であることは、余りしられていないだろう。
こちらで『まんがNO.1』の表紙やコンテンツが紹介されている。
編集者長谷邦夫の辣腕ぶりを知ることができる。
赤塚不二夫「まんがNo.1」 大特集!


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