ライク ア ローリング ストーン

ライク ア ローリング ストーン

ライク ア ローリング ストーン

 

録音し忘れたNHKラジオ『すっぴん!』の
牧村憲一インタビューをらじるらじるで聴く。
時間が50分で聞き手が宮沢章夫だから、
実に濃い内容。

『ライク ア ローリング ストーン』宮谷一彦著を読む。
きちんと読むのは、はじめて。
数十年前、黄金期の『少年チャンピオン』に連載をはじめたが、
すぐに打ち切りとなった。
異常なまでの絵の迫力とグロテスクさを覚えている。
あとは、はっぴいえんどの『風街ろまん』のジャケットか。

『ライク ア ローリング ストーン』は「私マンガ」だそうだ。
私小説の漫画版。
つげ義春あたりのひなびた貧乏くさいしみじみした世界を
思い浮かべがちだが。
違う。政治も音楽も漫画も熱い時代。
一度目は絵を見る。二度目はストーリーを読む。
三度目は合わせて読む。
まず絵のうまさに圧倒される。
人もクルマなどの物も風景もうまい。
当時の最新のファッションも描けている。
で、吹き出しじゃなくて地の文、映像だとモノローグ。
これがやたら多い。
アンガージュマン、阿修羅像、蒸気機関車
埴谷雄高など作者の関心空間が。
漫画執筆、恋愛、野望。
引用の巧みさと饒舌なモノローグ、カッコいいビジュアル。
ふとゴダールに似ていると思った。

もう一作の『白夜』では、
真崎・守ダディ・グース上村一夫の漫画も
楽しめる。

興味のある人は、
これで予習しておくといいのだ。

 

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飛べない豚は


 
動物農場ジョージ・オーウェル山形浩生の新訳で読んだ。
アニメ化すればと前のエントリーで書いたが、なっていた。
しかもスタジオジブリの配給で。
高畑勲宮崎駿東映動画で組合運動をしていたからだろうか。

予告編を見るとレンタルで見たくなる。
ソ連を揶揄した話だとは知っていた。
確かに、そうだ。
人間に牛耳られ搾取されていた農場の動物たちが
独立を目指して革命を起こす。
武力闘争。
念願の独立。動物たちは団結して農作業に励む。
そして収穫。人間に支配されていた頃よりも
報酬は平等かつ飛躍的に増えるのだろうと思ったら、
そうでもない。

殖える動物たち。
開墾などして食料増産しないと。
一方、隙を狙っては農場の奪回を狙う人間ども。

豚はよくブルジョワジーの象徴として使われるが、
農場の初代トップが豚(ま、レーニンか)。
二代目を巡り権力闘争が。
スターリントロツキーを放逐して
さらに不平分子を粛清したが、
この農場でも同様のことが行われていた。
大統領という名の独裁者。
権力者が人間から豚に変わっただけか。
そんなこと聞かれたら、大変だ。
などなど。農場以外にも会社や反社会的勢力や
幼稚園の仲良しグループでも起こりえる話。
いまなら、アメリカ、ロシア、北朝鮮とか。

ヒツジたちのかけ声
「「四本足はよい、二本足は悪い!」」
(トリたちを差別するものか、人間もか)
しつこく出てくるが、なんか可愛くて、これがはまった。

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9月になったら


シチューのTVCMが流れ出した。
夕暮れが気持ち早くなって
朝晩が涼しくなった。

ほぼ毎月書いている
Web版株式投資の入門テキスト。
今月分にかかる。
内容をある程度咀嚼してからでないと書けないので
ゆるゆると進む。
集中力のない受験生気分。

読んでいるのは、
動物農場ジョージ・オーウェル著。
山形浩生の新訳だから。
初期のディズニーアニメタッチで
アニメ化したらいいな。
「権力構造」の図式は今も昔も変わらず。
いまの方が『動物農場』ぽい。
それと
『めくらやなぎと眠る女』村上春樹著。
「ニューヨーク発24の短編コレクション」ってやつ。
並行輸入盤って感じ。
あるいはビーチボーイズのバージョン違いのアルバムとか。
読んだけど忘れていたり、覚えていたり。
はじめて読むのもある。
風化したものと風化しないものがある。

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まさかの出番

幻想小説神髄―世界幻想文学大全 (ちくま文庫)

幻想小説神髄―世界幻想文学大全 (ちくま文庫)


予備に買っておいた香典袋がまさかの出番。
これに反して結婚の祝儀袋なんてとんとご無沙汰。
焼香してから着替えて、
スーパーマーケットへ買い出し。
秋風ぞ吹く。

『世界幻想文学大全』3部作のうち、
最後に『幻想小説神髄』東雅夫編を読んだ。
豪華ラインナップ。
怪奇と幻想の宝石箱やあ~。
ホラーとファンタジーは結合双生児みたいなものだそうだ。
ここにSFがからむと結合三つ子となるのか。
三つ首のキメラ。こっちの方がカッコいい。
印象に残った作品を短く。

『なぞ』W・デ・ラ・メアは、
マザーグースみたいな話。
一見のどかだが、読んでから、いや待てよ、もしかして…。と、
時間差で怖さが伝わってくる。


『光と影』フョードル・ソログープは再読。
これは影絵でぜひ見てみたい。


『クレプシドラ・サナトリウムブルーノ・シュルツ
同じサナトリウムでも堀辰雄のそれとは大違い。
トーマス・マンの『魔の山』が好きな人なら。

昨日までしつこいほどセキュリティソフトの早期更新案内メールが来ていた。
振替のハガキまで頼んでもないのに来た。
更新するのだから新規で買うよりは安いと思ったら違った。なんで。
ま、さして違いはないが。なんかむかつく。
いまので別段文句はないけど、このしつこさは、どーよ。
変えてみようか。

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身体が記憶している


東京暮らしの方がずっと長くなったんだけど、
いまだに朝晩は昼よりも涼しい。
そう身体が記憶している。
盆地育ちなもんで。
今朝、起きたら、朝の時間帯なのに
蒸し暑いのなんのって。
エアコンをつけて、
エサ皿にキャットフードのパウチと
カリカリを混ぜ合わせる。
ケージから猫を開放する。

先日提出した記事が好評というチャットをいただく。
ほめられると木に登るブタタイプ。
新しい記事のための資料を探しつつ、読み込む。

奇想小説の短篇集をこのところ読んできた。
村上春樹の短編を再読、初読を思いつく。
純文学じゃなくて奇想小説として読む。
どうだろう。

ちょっと宣伝。
書いた8月分の記事がアップされていた。

 

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留守居役

カストロの尻

カストロの尻


土・日は留守居役を仰せつかる。
老猫のご飯から下の世話など。遊び相手も。
ネットで鶏胸肉でのバターチキンカレーと
タンドリーチキンを検索する。
ホットケーキミックスでナンチャッテナンも。
録音しておいたNHKFMの『きらクラ!』の臨時番組

『こどクラ』を聴く。
こどくな人のためのクラシック音楽バラエティ。
MCは、“こどクラりょう”こと、ふかわりょう
かつての、ふかわのJ-WAVEの番組臭がしてよい。
特番でいいから年に数回オンエアしてくれることを望む。

カストロの尻』金井美恵子著を読む。
久しぶりの日本文学。
12の短編。
菓匠がこしらえる上生菓子のよう。
ただし、季節ではなくて人生とかを反映している。
豊饒で饒舌な文体。柔らかな感性。
本と映画と音楽とファッションと食べ物と。
どう言えばいい。シズル感がたまらない。
文章から光、影、におい、感触が伝わる。
なぜか忘れていた風景を垣間見させてくれる。
タイムワープさせてくれる。

『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』の表紙となった
岡上淑子のフォト・コラージュが贅沢に6点。
イメージを増幅させる。
「あとがきにかえて2」で作者はこう書いている。
「いつでも、「執筆中の著者兼読書中の読者」として生きたい」

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うれしくない

少年の名はジルベール

少年の名はジルベール

 

何だか2度目の真夏が来たよう。
うれしくない。
バリ島の人たちのように
早朝から働いて正午過ぎにはおしまい。
昼寝というシステムがよいのでは。
冷房が生ぬるい電車では
本を読む気にもならない。
と思ったら、一気読みさせる本と出会えた。
知ったのはTBSラジオの『東京ポッド許可局』。
学者芸人サンキュータツオが紹介していた
『少年の名はジルベール竹宮恵子著を読む。

少女漫画ファンなら「大泉サロン」の存在は有名なのだろう。
西武池袋線大泉学園の古びたアパートに
竹宮恵子萩尾望都が今でいうルームシェアをして
竹宮のプロデューサー、指南役の増山法恵
新しい少女漫画を目指す。
そこに出入りしたキラ星の如き少女漫画家たち。
少女漫画梁山泊

BL、少年愛の元祖とも言うべき
風と木の詩』が刊行されるまでの産みの苦しみ。
何せ少女漫画の編集者は、ほぼ100パー男性。
そもそも少女漫画とて男性漫画家が当初は手がけていた。
少年愛のサンプルは足穂の『少年愛の美学』と
ウィーン少年合唱団
クラスの女の子にもファンがいた。
この本には出てこないけど
ヴィスコンティの『ヴェニスに死す』とか。

1972年、竹宮、萩尾、増山と
山岸涼子の4人で行ったヨーロッパ旅行は、
創作に大いに刺激となった。
映画や雑誌でしか知らないヨーロッパを
じかに体験することは、作品にリアリティを与えたようだ。
コースがすごい。
「船でナホトカへ。シベリア鉄道でハバロフスクまで。
ハバロフスクからモスクワまでは飛行機。
モスクワから飛行機でやっとヨーロッパへ」


それから作者が抱く萩尾の才能への嫉妬。
画力、ストーリー。
自分で納得できるものがつくれない焦り、苦しみ。
これはおそらく現場を退いたからこそ、
ある程度歳月がたったからこそ吐露できるのだろう。
今は大学の学長だもんね。
両雄並び立たずと言うが、
1973年、大泉サロンは解消となる。

「萩尾さんの縦の斜線」が少女漫画界に与えたインパクト。
宮谷一彦のカケアミのようなものか。
Eテレ浦沢直樹の漫勉』で萩尾望都の漫画の描き方を取り上げていた。
驚嘆の二文字。YouTubeにあるかもしれない。

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