間違い電話


このところ週に一回ほどの割合で
イエ電に間違い電話がかかってくる。
留守電に毎回メッセージを入れている。
「ヤマシタ(仮名)の母でございます。
また連絡します」
が、通常のパターン。
山の手ミセス風の取り繕ったような声だが、
押し出しの強そうな、インギンさを感じる。

「昨日はありがとうございます。
楽しかったですね。連絡ください」
が、変形のパターン。

昨日、何をした。
バーベキュー、カラオケ、野球拳、降霊会、鍋パーティ…。

かくも続くと何か深い意味があるのか。
新手のセールスの手口かとカンぐる。
ゲスのカンぐり。

ちょっと宣伝。こんな記事を書きました。

 

離職率を下げるためにストレスチェック!社員のストレス状態を一括管理 | パイプドビッツ公式HP



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ビンの中のメッセージ


原稿を送った。
経費を精算して確定申告にかからないと。
excelがありがたいと思うとき。

チェーホフ傑作選 馬のような名字』浦雅春編訳を読む。
「編訳者解説」が見事にチェーホフの世界を紹介している。
ポストロシア文学
パイセンであるトルストイドストエフスキーの文学が
重厚長大なら
その後は軽薄短小になる。

『かき』『ワーニカ』『ねむい』は子どもが主人公。
『ワーニカ』『ねむい』は、子どもが過酷な労働環境で
酷使されるという
ディケンズからハリポタまでおなじみの世界。

『ワーニカ』では祖父宛に手紙を書いて
惨状を訴える。帰りたいと。
かわいらしい文面で泣ける話なのだが、
子どもは祖父の住所を知らない。
たぶん切手を買う小銭もないかも。
祖父も孫を売っていくばくかの金は手にしているはず。
ボトルメール無人島かなんかで
流れ着いたビンに手紙を入れて流す。
それにも似ている。

『ねむい』は子守りをしてついうとうとしてしまった子どもが
叱られる。いつもこきつかわれてろくな食事も与えられない。
その矛先が赤ん坊にいくというちょっとホラー風味。

『かわいいひと』。タイトルが有名だと思うが、
ぶっちゃけかわいくてサゲマンの話。
原題を英語にすると「ダーリン」。
これでいいんじゃないか。

『馬のような名字』、これはコントになる。
歯痛に悶える元将軍が太夫、ツッコミ。
歯痛をまじないで直す祈祷師の名前が出てこない執事が才蔵、ボケ。
誰がやる。サンドイッチマン爆笑問題、バイきんぐ。

ビンの中のメッセージはムダでむなしい行為かもしれない。
でも届かないよりは届くだろう。
ぼくたちはワーニカを一方的には笑えない。
そこここで似たことをしているのだから。

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チェーホフが無性に

平昌冬季オリンピック
女性活躍推進法の産物か。ちがう。

チェーホフ傑作選 馬のような名字』
チェーホフ集 結末のない話』を併読中。
チェーホフが無性に読みたくなる時期がある。
どんなときかは知らないが。
桜の園』とか代表作よりも家計を助けるために
書き飛ばした初期の短篇が素晴らしい。
読んだことがある小説もあるが、何度読んでも面白い。
大衆に受ける娯楽小説。
その体をして実はこっそり毒や実験的なことを
潜ませている。
おいおい、純文学よりも難易度が高いんとちゃうの。
人間心理の本質をとらえているので
古びていない。
不条理、ブラック、スラップスティック
コントや小劇場の芝居の原点。

三四郎の小宮似の男子 階段一気のぼりで 塾へ

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寒卵

 

『ぼくの東京全集』小沢信男著を読む。
「底本一覧」によると
1951年発表の詩から2016年のエッセイまで
60年の作家、ライターのキャリアから
選りすぐった一冊。

戦前・戦中・戦後の東京を
自身の人生から書く。
ルポ、ノンフィクション、評伝、
小説、俳句、詩作まで。
どこを読んでも名人芸の小沢印。
亡くなった父親と同年代なのに、
なんなんだこの柔らかな文体は。
ブレないスタンス。

出身校が東京府立第六中学校(現東京都立新宿高等学校)。
新宿御苑の目の前にあるが、
御苑はかつて下々は立ち入り禁止だった。
そこに忍び込んだ話。

新宿や池袋の闇市の様子や
まだ栄えていない渋谷駅前で待ち合わせをする話。

焼け野原跡の古書店
腹も飢えていたが、活字にも飢えていた人たちが
群がった話。
辻征夫や丸山薫など詩人との話。
もうきりがない。

作者が取り上げていた佐田稲子の『私の東京地図』を
読みたくなる。
池波正太郎小林信彦のエッセイが好きな人なら、ぜひ。

寒卵 東京人の 厚着かな

 

という俳句をつくったら
会社員時代、所属していた
俳句クラブの先生にはじめ褒められたが、
季重なりで撤回された。

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うわの空

 

一昨日アタマから煙を出しながら
原稿を書いていた。
ガス定期保安点検に見えた人の話もうわの空。
「あぶない状態ですねえ。そんなポンコツの脳みそは
点検・回収しましょうか」
原稿は、なんとか納期に間に合う。
断片は知っていても全体は知らない。
それが少しは見えるようになる。と思いたい。

で、結果、昨日は抜け殻のようにだらだら。
自転車で図書館へ資料のビジネス書を返却。
ダジャレ、資料のはらわた。
入口前でくしゃみ、連発。
花粉が本格的に飛び出したか。

ラジコ タイムフリーで聞けなかった
ラジオ番組を聞きながら
『ぼくの東京全集』小沢信男著を読む。
久しぶりの日本語のエッセイや小説なんで
乾いたスポンジに水状態で
マッハで読める。
戦前、戦後から現在の東京を
東京人の視点から。
改めて感想をエントリーするつもり。

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マンガでわかるか


相も変わらず原稿書き。
付け焼刃的に勉強しちゃ書いて、
書いては片端から忘れる。

『マンガでわかる行動経済学ポーポー・ポロダクション著を読んだ。
難しい学問をマンガでわかりやすく。
というヤナギの下にドジョウが1万匹もいるような中で。
結構マンガにしてもわかりやすくなっていなかったりして。
ぼくも仕事でPR誌の8コママンガの構成をしているが、
この本はよくできている、解説文が。
短い分量でまとめるのには
かなり内容を理解していないと困難なんだけど。
解説がいいのでその分、マンガははじけていい。
くだらなくていい。そうなっている。
行動経済学をはじめて知りたい人にはいいと思うよ。

きっと『マンガでわかる仮想通貨』とか
『マンガでわかる遺産相続』とか
もうすぐ出るんじゃないの。

 

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も少し


知り合いで経営者で成功した人は
来た仕事はとにかく断らないことをモットーにしていた。
自分でできないときは、知り合いに頼んで。
それができないぼくは、くすぶったまま。
でも、それでいいと思う。
1人でできることは限りがある。
つーか、ほとんどできないと思った方がいい。
ギョーカイの掟は、先着順で仕事をすること。
それが暗黙の了解。
まだ書いたことのないジャンルの仕事も引き受けて
死に物狂いでベンキョーする。
これがまだ苦にならないので、100パーではないが
ライター稼業はも少し続けられるだろう。

人工知能と経済の未来』井上智洋著の補足感想。
2045年にAIが人間を超えるというシンギュラリティについて、
作者は4点にまとめている。

「(1)AIが人間の知性を超える
(2)AIが自らAIを生み出すことによって知脳爆発が起きる
(3)AIが人間に代わって世界の覇権を握る
(4)人間がコンピュータと融合することによってポストヒューマンになる」

 

 

いずれにせよ日本は少子高齢化が進んで
労働力不足もいま以上に深刻な問題となるだろう。
それを担うのはAIか移民。
並列するのは双方に失礼かもしれないが。
究極の選択を迫られる。
たとえば老人ホームで
介護されるのはロボットか移民か。
たとえばスーパーマーケットで
売場に立つのはロボットか移民か。
「牛すじはないの?」と客に聞かれたら
即物的に「ない」と応答するだろう。
いらつく客。その理由は理解できない。
管理職の人間が登場して
「まことに申し訳ありません。品切れです」
と平身低頭。
こんなシーンもまもなく目撃できるかもしれない。

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