も少し


知り合いで経営者で成功した人は
来た仕事はとにかく断らないことをモットーにしていた。
自分でできないときは、知り合いに頼んで。
それができないぼくは、くすぶったまま。
でも、それでいいと思う。
1人でできることは限りがある。
つーか、ほとんどできないと思った方がいい。
ギョーカイの掟は、先着順で仕事をすること。
それが暗黙の了解。
まだ書いたことのないジャンルの仕事も引き受けて
死に物狂いでベンキョーする。
これがまだ苦にならないので、100パーではないが
ライター稼業はも少し続けられるだろう。

人工知能と経済の未来』井上智洋著の補足感想。
2045年にAIが人間を超えるというシンギュラリティについて、
作者は4点にまとめている。

「(1)AIが人間の知性を超える
(2)AIが自らAIを生み出すことによって知脳爆発が起きる
(3)AIが人間に代わって世界の覇権を握る
(4)人間がコンピュータと融合することによってポストヒューマンになる」

 

 

いずれにせよ日本は少子高齢化が進んで
労働力不足もいま以上に深刻な問題となるだろう。
それを担うのはAIか移民。
並列するのは双方に失礼かもしれないが。
究極の選択を迫られる。
たとえば老人ホームで
介護されるのはロボットか移民か。
たとえばスーパーマーケットで
売場に立つのはロボットか移民か。
「牛すじはないの?」と客に聞かれたら
即物的に「ない」と応答するだろう。
いらつく客。その理由は理解できない。
管理職の人間が登場して
「まことに申し訳ありません。品切れです」
と平身低頭。
こんなシーンもまもなく目撃できるかもしれない。

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AIとBI


午後5時過ぎても明るい。
悩ましい声で啼くネコ。
恋の季節

気になっていた『人工知能と経済の未来』井上智洋著を読む。
AI(人工知能)が人よりも勝るとどうなるのか。
AI(人工知能)がこのまま普及すると
人の雇用を奪うのか。
AIを学んでマクロ経済学を学んだ作者の視点が鋭い。
いちばん気になったところ。

AIが本格的に普及したら
その元締めである企業からの税金を財源にして
BI(ベーシックインカム)として一律「月7万円」ほど
人々に還元すればいいと。
ひょっとしたらこれがAIのもたらす「ユートピア」なのかも。
作者はこう書いている。

 

「AIが高度に発達し、働いて所得を得ることが当たり前ではない
社会がやってくれば、恐らく、多くの人々がBIを導入した方が
良いという考えに至るのではないでしょうか」


リアリティのある近未来を垣間見たような気がする。

「おわりに」でバタイユが出てくる。
意外。でもないか。
バタイユは『呪われた部分』というポトラッチにヒントを得た
経済学の本を書いているし。
難解で「至高性」の意味もよくわからなかった。
ところが、作者は「有用性」の真逆にあるものだと。
いまはさあ「有用性」がはぶりをきかせている時代。
作者はワインを例にして「有用性」=「体に良いポリフェノール」。
「至高性」=「うまいから」。
大学もなんだか社会人の即戦力を輩出するための
ビジネススクール化しているのも「有用性」のなせるワザ。
「有用性」という病が蔓延している。

古代ギリシャのように労働が卑しいものと思われるようになるのか。
詩作、哲学、歌舞音曲、アート三昧できたのは
奴隷が労働をになっていたわけで、
その奴隷の役をAIがするのか。
と、思うと愉快だが。

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なんとなくクラシタル

茄子の輝き

茄子の輝き


平昌オリンピックのジャンプを見る。
高くて寒くて風が強くて。
何の罰ゲームか。
見ていて寒くなったので芋焼酎のお湯割りを飲む。
カイゼル髭風のドイツ(かな)の選手が印象的。
ノルディックウォーキングをする王様という絵を描きたいが
なかなか思うのが描けない。

『茄子の輝き』滝口悠生著を読む。
妻から離婚を求められた男。
勤めていた職場も
東日本大震災の影響で
立ち行かなくなって転職する。
てな、ほろ苦い話の連作集。

結婚もなんとなくして
夫婦生活もなんとなく続いていた。
であるからし
なんとなく離婚したが、
彼の心は大きく穴が開いたまま。
妻の顔を忘れそうになるので、
妻の写真を眺め、一緒に行った旅行のことなどを
思い出す。
エアギターならぬエアストーキング。
ついでに妻が寝ていた蒲団のにおいでも
嗅げばいいのに。
ひょんなことから酔った女子をアパートに
泊めることになる。
村上春樹の小説のキャラなら
すぐさま一線を越えるが、
植物系30代男子は、しない。

話し相手が植物というある種やばい状況。
職場に入ってきた女の子に
一方的に救われる。でも、結婚で東京を離れる。

東日本大震災で受けたダメージ、
直接的ではないが、自覚症状がさほどないままに
侵される。
ぼくもその頃の渋谷の夜の暗さを思い出す。
全編ドキュメンタリー映像のようで。
飲み屋で出てきた茄子の揚げびたしの
茄子紺が鮮やかに迫ってくる。

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闘う女の肖像

女子プロレスラー小畑千代――闘う女の戦後史

女子プロレスラー小畑千代――闘う女の戦後史


予定していた原稿依頼が遅れているのか、
諸事情でなくなったのか。
これ幸いと仕事関連本を詰め込む。

『東京ポッド許可局』でプチ鹿島が紹介していた
女子プロレスラー 小畑千代』秋山訓子著を読む。
さすがに知らない。赤城マリ子以降だもの。
当初は完全にきわものショー扱いだった女子プロレス
ミゼットプロレスと女子プロレスの興業のポスターを
子どものときに見たのを覚えている。

女子プロレスをショーから格闘技へイメチェンさせたのが
小畑千代だ。
生まれついての運動神経の良さ。
根っからのストロングスタイル、気風の良さは、
読んでいて小気味よい。
生い立ちからはじまり
女子プロレスラーになるまで。
テレビ中継されるなど成功を収めるが
その後誕生した新たな女子プロレス団体。
時流に呑まれることもなく
ひたすらプロレス道にまい進する。

力道山に冷遇された話。
浅草の親分に可愛がられた話。
地方巡業で興行主にギャラを確実にもらう手立て。
いい話がてんこもり。
日本女子プロレスの伝説の松永兄弟のことも
ちらと書いてある。

しかーし、肉体の衰えは技ではカバーしきれない。
所属団体も短命で
しまいには自身でプロレス団体の経営も考えるが、
現役レスラーの道を選ぶ。
腕の良い職人が管理職の依頼を断るように。
80歳を越える今でも引退生命は出していない。
三社祭でお神輿を担ぐために筋トレを欠かさない。

読んでいてここまで痛快になった本はない。
井田真木子の『プロレス少女伝説』とは
真逆の本のように思えるが、
ポジとネガ、表裏一体なんじゃなかろうか。



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山下達郎のBrutus Songbook

BRUTUS(ブルータス) 2018年2/15号No.863[山下達郎のBrutus Songbook]

BRUTUS(ブルータス) 2018年2/15号No.863[山下達郎のBrutus Songbook]


BRUTUS』を久々に買う。
特集が『山下達郎Brutus Songbook』。
これは、すごい。
立ち読みじゃ読めない文字量。
長寿ラジオ番組『Sunday Songbook』25周年記念で
山下達郎の音楽の血や肉や骨となったルーツミュージックを
「22のテーマ」でまとめたもの。
番組の抜粋では達郎氏の思いを。
で、丁寧にプロフィールや音楽業界に与えた影響などを
解説している。
ぼくは、YouTubeで楽曲を探して聴く楽しみが増えた。
BRUTUS』で特集したのがえらい。
><BR><
「ライムスター宇多丸の ウィークエンド・シャッフル」も
丸10年で終了するこったし、
日本のヒップホップとサブカルなんかで
特集にできるんじゃないの。

当然英米音楽が主体だけど、
『アマポーラ』をかつてカバーしたし
KinKi Kidsのデビュー曲『硝子の少年』はフラメンコ調だし、
カンツォーネやフレンチポッポスにも
造詣が深いはず。
そのあたりも知りたい。

ここ数年再び聴くようになった『Sunday Songbook』。
かつての大瀧詠一との新春放談は、いつも大笑いしていた。
大昔、『オールナイトニッポン2部』でパーソナリティをしていた。
不真面目なリスナーだったが、
ビーチボーイズストーリーなど
コアとなるものは変わっていない。
「40歳過ぎても酒を飲んでも演歌は歌わない」は名言だが。

エレックレコードのシュガーベイブのLPレコードは家宝。
聴けないけどね。

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はじまった

地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)

地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)


昨夜、恵方巻をかぶりついた。
豆はまかずに食べた。
くしゃみが出る。鼻がぐずぐずする。
頭がなんとなくもやもやしてヤな感じ。
はじまったな、花粉症が。
病院で薬をもらうか。
薬局でOTC医薬品でしのぐか。
確か、今年の花粉の量は平年並みとか。

地球の静止する日 SF映画原作傑作選』
ブラッドベリスタージョン他 中村融編を読む。
読んでから見るか。見てから読むか。という
キャッチコピーがあったが。

『殺人ブルドーザー』シオドア・スタージョン著。
これは、ぜひ、リメークしてもらいたい。
YouTubeに動画あり。字幕なし。
『擬態』ドナルド・A・ウォルハイム著。
短篇ゆえ映画化にはかなり引き伸ばして
薄め過ぎたカルピスのようなものか。
『主人への告別』ハリイ・ベイツ著。
これは『地球の静止する日』の原作。
なぜかテッド・チャンの作品と似たものがあると。
YouTubeで予告編や一部映像が見ることができる。
異星人のチープさが今見ると新鮮。


あとは仕事関連で
『仮想通貨とブロックチェーン』木ノ内敏久著を読む。

 

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高慢タレブ


音声データを人力で起こす。

『反脆弱性ナシーム・ニコラス・タレブ著を読んだ。

通常というかこれまでは
脆弱、頑健という二項対立だった。
そこにタレブは反脆弱というものを
持ち込んでこのトライアングルこそ
見えにくい時代を乗り切るツールだと。
万能法則だと言わんばかり。
いろんな観点からその正当性や整合性を
論じている。

関係ないが、
かのバタイユは知と無知の二項対立に
非知を持ち込んだ。
頭でっかちな知性主義にアンチを食らわせたってとこ。

面白いつっても、難しいところはある。
でも、悩まず読み進めばいい。

「反脆さは耐久力や頑健さを超越する」
言うなれば柔構造の知だ。

 


「経済全体が反脆く“進化”するためには、個々の企業が脆く、
破綻の可能性を持っていることが欠かせない。進化が起きるには生物(やその遺伝子)が死滅し、別の生物で置き換えられる必要がある。そうでなければ、いつまでたってもシステム全体は改善しないし、適応度の低い生物が繁殖してしまう」

 

 

「朝。コーヒー・メーカーでカプチーノを作るたびに、私たちは
失敗した起業家の脆さから恩恵を受けている。失敗した起業家がいなければ、上質なコーヒー・メーカーが台所のカウンターに届くこともないからだ」

 

 

アンチ『ビジョナリーカンパニー』。
だからといって良いものだけが残ったとか、
そんな単純な素朴ダーウィニズムでケリがつく問題ではない。


「医原病
治療者がもたらす害。たとえば、医者の介入によって利益よりも
害が多くもたらされる状態」

 

 

言えてる。
ともかく作者は既成のシステムの不備を
いちゃもんをつけるように指摘する。

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