枯れる

ナイス・エイジ

ナイス・エイジ


突然、声が出にくくなる。
扁桃腺肥大と関係あるのだろう。
このとき限定で森山周一郎のマネができる。
「飛べない豚はただの豚だ」とか。

『ナイス☆エイジ』鴻池留衣著を読む。


『ナイス☆エイジ』は、
アイドル、アイドルオタク、
オフ会、「キャリーケース」型タイムマシン、
ネットとリアルの違いなどを
混ぜご飯風にした作品。
スラップスティックSF、狂騒曲なんだろうが、
ドタバタがぼくにはイマイチ見えにくい。

もう一篇が『二人組み』。
みうらじゅんだったと思うが、
男子中高生時代の自分を
「頭の中がエロでいっぱいで耳からこぼれそう」
みたいなことを言っていた、確か。
主人公は、まさにこの流れにある健康的な高校男子。
本命の彼女にふられた彼は地味な女の子にアプローチする。
合唱コンの練習後、カラオケボックスへ。
彼はいやらしいことの代償に
彼女の家庭教師、赤ペン先生になる。
成績のことしか気にしない親。
本心をわかろうとしない教師。
大人は判ってくれない
忘れていたその頃の気持ちが甦って、こっちまでむかつく。
内緒の恋愛だったが、二転三転。
こっちのドタバタはバッチリ見える。
『二人組み』を表題にした方がよかったのでは。
大きなお世話だけど。

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くしゃみを連発

半分世界 (創元日本SF叢書)

半分世界 (創元日本SF叢書)


朝、くしゃみを連発。
そろそろ花粉の季節か。
中高からの長いつきあい。
つきあう気はないんだけど。

『半分世界』石川宗生著を読む。
読んでいてなんとなく影響を受けた作品は
想像できるが、テイストの違った4篇は、
どう形容すればいいんだろう。
イデアというか小説の設計図というか
一枚絵がふと浮かぶ。
それをきちんと作品に仕立て上げるのには、
センスと諦めない忍耐力、時には強引な力技も必要とされる。

『吉田同名』
吉田大輔が増殖した話。
『おそ松くん』は六つ子だったが、それどこではない。
おっさんが突然、大量繁殖する。
そのドタバタ、パニックぶりに感心させられる。


『半分世界』
ルパン三世』の石川五右衛門斬鉄剣で切ったように
真っ二つの家。遮るものはなく、私生活が大公開。
一億総監視下社会、一億総ワイドショー化社会を揶揄したような作品。


『白黒ダービー小史』
ガルシアマルケスあたりを下敷きにしたかと思われる話。
でもおそろしく馬鹿々々しい話。賛辞。
白と黒のツートーンの町ってドローン映像で見ると
現代アートだろうな。


『バス停夜想曲、あるいはロッタリー』
舞台は中米か南米かを想像した。
埃っぽい乾いた道を
走るサイケなカラーリングのバス。
熱気、体臭、濃厚な香水、煙草。
次にいつ来るかは誰も知らないバス。
地獄か天国か。
どちらもイエスでノーな世界。

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so end


疎遠/TOMOVSKY
トモフスキーの『疎遠』が耳から離れない。
疎遠がso endに聞こえる。空耳。
1月15日の『アフター6ジャンクション』。
「疎遠になった友だち・通称『元トモ』特集」が、
疎遠になった男女の友だちについていろいろ考えさせてくれた。

昨今はSNSで疎遠になった友人の近況を知ることができる。
これ、精神衛生上よろしくないか。
ま、見なきゃいいんだけど。
友だち申請もほっぽっておけばいいんだけど。
漫画家の蛭子さんの、家族はいるが、 友だちはいらない。
というのを知って、そうかもねと思った。
疎遠になった縁は、無理につなぐことはない。

ようやく原稿書きにスピードが出てきた。
今週の電車本。
『ナイス☆エイジ』鴻池留衣著。
『オブジェクタム』高山羽根子著。

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メラメラ

階段を下りる女 (新潮クレスト・ブックス)

階段を下りる女 (新潮クレスト・ブックス)


午前11時に花火の音が。
ああ、世田谷ボロ市か。

『階段を下りる女』ベルンハルト・シュリンク著 松永美穂訳を読む。
『朗読者』以来かも。
主人公は初老の弁護士。偶然、一枚の絵と再会する。
若かりし頃、男はその絵のモデルの女に恋をした。
彼女の言われるままに絵を盗むサポートをするが、
絵と共に彼女は姿をくらます。
彼女は猫系女子の典型。
男は価値観の似た女性と結婚する。
仕事も順調。子どもはイギリス留学体験後、独立。
妻に先立たれたのは、予想外だったが。

その絵を目にしたとたん、
封印していた彼女への思いがとかれる。
燻ぶり続けていた恋の炎が再燃する。
一方的にね。

探偵事務所に彼女の行方を依頼するほど、
再会を望む。
やがて叶うこととなる。

「40年」の歳月の重み。
変わらないところ、変わったところ。

最初、「休火山の恋」というタイトルを考えた。
いま、死火山、休火山、活火山という区分けはしてないそうなので
ボツにした。

猫科の彼女は病に侵されていた。
猫のように死にざまを見せずに消えていく。
安い難病ものにはしない。
ロマネ・コンティを飲んでマッパで心中とか
そういう結末はあり得ない。
「人生を下りる女」じゃ、ネタバレかな。
ジャズで例えるならビル・エヴァンスのように、
端正な作品。

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漢字る

文字渦

文字渦

 


『文字渦』円城塔著を読む。
文字、漢字の変遷を書いた短篇集。
文字フェチにはたまらない一冊。

漢字のはじまりって甲骨文字だっけ。
世界史で習った。占いなど呪術用だった。
でも、やがてオープンソースのように誰かがそれを改良したり、
新たな文字を追加したりしてバリエーションを増やしていったのだろう。


いま、本家中国は漢字を簡単にした簡体字を使っているし、韓国はとっくにハングルだし。
日本は漢字を崩しはしないが、平仮名、カタカナがあるし。

文字を書くものは亀の甲羅や動物の骨から「竹簡」そして紙へ。
手書きから複製(印刷)へ。ワードプロセッサーからパソコンへ。
筆記具も筆からキーボードへ。
墨痕鮮やかな文字から
井上有一や相田みつをのような書まで。

漢字は象形文字だが、表音と表意を兼用している。
漢和辞典を眺めると漢字の多さに辟易する。
なぜここまで多岐に及ぶのか。

漢字にはさまざまな書体もある。
書体、フォントでイメージも異なる。
企画書、名刺、印刷物。

漢字がキャラ立ちしてアニメのように動き出したら。
そんなシーンを抱かせる。
文字文字くん、ね。

欧米のアルファベットなどの文字で組んだタイポグラフィ
整然としていて美しい。
日本語はどうなのだろう。
「CJK統合漢字」、要するに漢字使用国でパソコン対応で
統一した。これによって消滅した文字も多々あるという。

文字化けのメールって
ディスコミュニケーションを表わしたものじゃないだろうか。

書きますた。

 

 

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みなまで言うな

夜のリフレーン

夜のリフレーン

 

やっとまとまったので
原稿と修正原稿を送る。

『夜のリフレーン』皆川博子著 日下三蔵編を読む。
「単行本未収録短篇」を編者が編んだもの。
小説現代」「小説新潮」「オール読物」などの中間小説誌が初出。
父親が購読していて
いないときに梶山季之川上宗薫などを盗み読みしていた。
短篇読み切りが多い中で
作者は味わいの異なる怖い作品を発表していた。

冒頭の『夜のリフレーン』が圧巻。
マザーグースを思わせるような文体で
男女の愛憎の世界を描いている。
これでホラー映画、撮ってください。

長編型の作家と思われる作者にとって
短篇は手ごわい相手だったようだ。
もっとも短編も長編も素材は同じだと思う。
内奥する世界も。
限られた枚数で書きたいことを過分なく書く。
どうする。
みなまで言うな、だ。
省略、寸止め。
見事なフェイドアウト
音数の少ないタイトなジャズギターのように。
余韻が残る。時には疑問も。
書きたい世界を固形スープの素としたら、
それをそのまま読者が齧っても食えたものではない。

テーマは人形愛、エキゾチシズム、祭礼、三角関係、フェティシズムペドフィリアなど。
昔の方が熱い恋愛をしていたと思うが、
最近はSNSなどでよりねじれた、こじれた、もつれた恋愛になったのかも。
片思いは恋愛じゃいないか。
片思いとストーキングは表裏一体だしな。

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風の強い日

あとがき

あとがき


粘り腰でいくしかないと戒める。
空っ風の中、自転車で図書館とスーパーマーケットへ。
貸し出しと買い出し。

『あとがき』片岡義男著を読む。
著者の本のあとがきを網羅した本。
ここまであとがき好きとは。
同じ本でも単行本が文庫になったり、
版元が変ったりするとあとがきも違う。
ヴァージョン違いの楽曲が多いビーチボーイズみたいだ。
ぼくはテディ片岡片岡義男とは知らなかった。
最初はラジオ『きまぐれ飛行船』かな。
で『ワンダーランド』から『宝島』。
植草甚一責任編集ってついていた頃の。
小説よりはエッセイといっていいのか
『10セントの意識革命』や『ぼくはプレスリーが大好き』のほう
が好きだった。
読みでがあって、ぼくの東京暮らしともほぼ重なる。

著者自身のあとがきだと手の内が意外と明かされていてよい。
企業秘密つーか創作上の秘密があっさり公開されている。

「小説を書き始めるにあたって、一方の端はアメリカ、
そしてもう一方の端は言葉による日本の若い人たちのコミックスという
幅のなかで、僕は自分に使うことの可能な言葉づかいを、
模索しなければならなかった」

 

創刊間もない「野生時代」で担当編集者にもっとエンタメしなきゃ駄目よと
言われたそうで。
『スローなブギにしてくれ』、『彼のオートバイ、彼女の島』は
その産物ということを知る。
ユニークなタイトルは考えるというよりも
耳にしたフレーズなどをそのままつけてしまう。
で、その時点で小説の大枠は決まっているのだろう。

著者の小説に出て来る女性は、なんかちゃきちゃきしていてカッコいい。
昔の日本映画の都会派の女優のようと思って読んでいる。
ところが日本映画を見たのはずっと後で。
確か数年前の雑誌『コヨーテ』で大瀧詠一と日本映画の対談をしていた。
大瀧には『論寒牛男(ロンサムカウボーイ)』なる楽曲があるのだから、
古いつきあいなのだろう。
先週の「大瀧詠一『ゴー・ゴー・ナイアガラ』ベストセレクション」が
プレスリーの特集だった。
プレスリーで対談、ラジオで。いいと思うが、かなわぬ夢。


この本にも、もちろん、あとがきがある。

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