甘酒、ビターな読書

善き女の愛 (新潮クレスト・ブックス)

善き女の愛 (新潮クレスト・ブックス)

いただきものの酒粕があったのを忘れていた。
甘酒にして冷やして飲もうと思ったが、今日のこの寒さ。
熱々におろしショウガを入れてはふはふ。あったまるんだから~♪

『善き女の愛』アリス・マンロー著を読む。
いつもながらの字間・行間が詰まった緻密な世界。
誰もが経験している事柄やごく日常的な光景を綴っているのだが、
単なる共感とかを凌駕して、人生の重みや渋みを
これでもかと味わわせてくれる。

デミタスカップで飲むエスプレッソの如く、
少量だが、濃くて一気に飲み干すことができない。

英語に長けているならば、
原文に当たりたいが、原文でも難解なのだろうか。

最も好きな箇所を引用して締めとする。

「それから、レジを置くことなどなさそうに見えるところを
選んで書店へ行ってみた。客が少なければ少ないほど、そして雑然と
していればいるほど好都合だ。店主はデスクでタバコを吸っているか
居眠りしていて、古本屋ならばしばしばネコのにおいがする」

『コルテス島』より


これが気になったが、今は読めない。
文芸時評:3月 私小説巡る論争 日本語に根ざす、すれ違い=田中和生
毎日新聞 2015年03月25日 東京夕刊

ネットでざっと読んだときは、
私小説の狭義と広義、スタンスの違いかなと単純に思ったのだが。
アリス・マンロー西村賢太を同じ私小説で括れるか否か。
一応、リンクを貼って、図書館で再読してみよう。

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