それなりの

戦争の経済学

戦争の経済学

かかっている仕事は、いまがピーク(のはず)。
合間に、先日いただいたプレゼンの仕事をつらつら。
一人ブレスト状態。企画書とコンテンツなど構成を考えるんで、
違う神経を使い、それなりの気分転換。


電車本は『戦争の経済学』ポール・ポースト著、山形浩生訳。
これは当たり!以下、思いつくままに。


戦争っていうと、判で押したように人道主義や倫理観などから批難されるが、
じゃあ経済学的にはどーよって書き連ねたのが、この本。
戦争のバランスシートなんて考えたこともなかった。
で、昔は、儲かった、勝てば。
敗戦国の領土や支配していた植民地、賠償金などが得られた。
しかーし、現在は、儲からないと、様々なデータを駆使して説明している。
第二次世界大戦で南方諸島を一時、植民地にした日本も
収支上は大赤字だったとか。
改めてアメリカのものすごい軍事大国ぶりを知る。
好況のロシア、中国も負けじと軍事費を増強するのだろうか。


発展途上国の内戦」の章で作者はこう書いている。

「戦争の鉄則(戦争が経済を刺激してくれるという発想)は、先進国にしか
あてはまらない経済概念だ。−略−内戦は多くの低開発国において、発展の
大きな障害となっている」

さらに

「一人あたりGDPが250ドルの国は、今後5年間で戦争が起きる確率が15パーセントだ。
一人あたりGDPが600ドルになると、その確率は半減する」

「男性の教育水準が高いほど、その人は武力紛争に従事しにくくなる。
だから男の教育水準がちょっと上がるだけで、紛争リスクは下がる」

経済学的にはそうなんだろう。
コストから考えたら、割りが合わないのに、なぜ戦争や内戦はなくならないのか。
バタイユいうところの「呪われた部分」が為せるものなのだろう。


国家を近代化させた両輪は、学校制度と軍隊制度だそうだが、
どちらも昨今はアウトソーシング化が進んでいるようで。
格差だの、貧困だのと、ダウナー系になりつつあるこの国で
フリーターが戦争を希求するのも、うなづける気がする。


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