怖い話や残酷な話ばっかかと思ったら、いい意味で裏切られた話もある。
なるほど、そういうオチで来ましたか。
手替え品替え、なかなかのストーリーテラー。
なるほど、そういうオチで来ましたか。
手替え品替え、なかなかのストーリーテラー。
ゆえに「仏蘭西のポオ」は、100パー当たってはいない。半分は当たっているけど。
たとえば
『幻想』
寒さと飢えで死にそうな盲目の物乞い。憐れんでご馳走してくれたのは、同業者だった。久方ぶりの温かい食事。そして同業者は…。一切を見ていた盲目の物乞いの犬。
寒さと飢えで死にそうな盲目の物乞い。憐れんでご馳走してくれたのは、同業者だった。久方ぶりの温かい食事。そして同業者は…。一切を見ていた盲目の物乞いの犬。
『暗中の接吻』
もつれた恋愛から女は男の顔に硫酸をかける。男は裁判でも女を守り、「放免」を懇願する。そのかいあって。女は感謝の気持ちを述べる。最後に「別れの接吻を」。この瞬間をじっと待っていた男。硫酸の入った小瓶を女の顔に。復讐劇の王道。
もつれた恋愛から女は男の顔に硫酸をかける。男は裁判でも女を守り、「放免」を懇願する。そのかいあって。女は感謝の気持ちを述べる。最後に「別れの接吻を」。この瞬間をじっと待っていた男。硫酸の入った小瓶を女の顔に。復讐劇の王道。
『ペレゴレーズ街の殺人事件』
夜汽車のなかで殺人事件について話をしている「老紳士と、若い男と、ごく若い女」。
それぞれが動機などを勝手に推理して犯人像を探る。ま、恰好の暇つぶし。ところが、まさか。
巻末に『新青年』に掲載された作家のエッセイが。
たとえば殺人事件のネタ明かしなどは、目の肥えた
小姑根性的な現代ミステリーマニアのあなたには、ちゃちいく思われたり、
納得いかないかもしれない。でも、それはそれで味になっている。
確かに訳は古いんだけど、短篇の鮮度は落ちていない。
それが格調の高さや人間のあかんところをより切実にあらわされているような気がする。
確かラブクラフトはあえて擬古文体で作品を書いていたらしいが、
ルヴェルはどうだったのだろう。新訳でも読みたい気はするが。
それが格調の高さや人間のあかんところをより切実にあらわされているような気がする。
確かラブクラフトはあえて擬古文体で作品を書いていたらしいが、
ルヴェルはどうだったのだろう。新訳でも読みたい気はするが。