富士の病

朝イチの、のぞみで大阪へ。
発車してから朝日が指し込む。
座った席が、富士山ビューサイトでよかった。
どんどん大きくなってくる富士山。
ガラケーのボロケータイでも
かように撮れた。
この冬は、都内でも富士山が良く見える。

名古屋を過ぎたあたりから雪景色。
減速して走るのぞみ。
イメージにそぐわないが、
雪は降る。
たまたま佐和山城址という看板を見つける。
石田光成か。
早めのにしたので、
集合時間には間に合うだろう。

新大阪からJRを乗り継いで、
テレビ局に着く。
タモリ倶楽部」で、
いつぞや大阪環状線の特集をしていたが、
駅がレトロでなかなか味わい深い。
駅前も怪しげなテナントビルがあったりして。
土地勘の悪いぼくにしては
迷わずに着けたのは奇跡かも。

取材は、しゃべりなれた人なので
いい話がたっぷり聞けた。
にしても、昨日の大阪は寒かった。

ちゃっちゃっと終わる。
新大阪駅内のうどんの店を探すが、
こぎれいなエキなかで、
らしい店がわからない。
帰ってケンサクしたら、やはり、入ろうとした店だった。
事前にチェックしておくべきだった。
残念。

帰りの席はオーシャンビューサイトで
熱海界隈の海が美しかった。

行き帰りで
『112日間のママ』清水健著、
『「ヒットソング」の作り方』牧村憲一著を読む。

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2017.01.15の五首

いきなりコクられ いきなり接吻 いきなり別れて いきなり団子喰う

忘れられない女 それがアンカリング・ガール 心の底に  突き刺さったままの錨 

極暖を来た極悪 月極駐車場で ワイフから財布 受け取る


レオン・ラッセルが流れていた キミと待ち合わせの喫茶店 今じゃ 洗体エステ

美容整形 繰り返す シブヤの街 わが思い出も ガレキとなりぬ

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久しぶりに

午前中、来週の大阪取材の件で打ち合わせ。
印刷会社系のプロダクションで
古いつきあいのところだが、
行くのは久しぶり。
規模が大きくなって、
スタッフが若返っていて驚いた。
営業の人も、クリエイティブの人も、
なんつーか誠実。
早起きは苦にならないが、座れないのは困る。
えきねっとで席をおさえる。

真冬の大阪と言えば、
氷蓄熱空調システムの会社のPR誌の仕事で
導入しているテナントビルをたずねたことがあった。
その日は寒くて
雪がちらほらと舞っていた。
編集長的立場の人が地元出身で
帰りの新大阪駅で立ち食いで
きつねうどんのうまい店を案内してくれた。
ほんと、うまかった。

PR誌が続けば
流氷砕氷船ガリンコ号や貴船の川床などを
取材する予定だったが、
創刊号で終わってしまった。

地図が読めない男なもんで
余裕をもって早めの新幹線にする。
現地集合、現地解散とか。
新幹線のとまる都市ならば、それもありだが、
誰だか忘れたが吉本の芸人さんが
ロスアンゼルスかサンフランシスコ、
現地集合、現地解散というロケを経験した話を
聞いたときは、ちょっと驚いた。
いまどきは、そんなものなのだろうか。

帰宅すると、黒猫に
「暖房つけてくれにゃー」と催促された。
ネコ執事でございます。

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リフレインが叫んでる

ポオ評論集 (岩波文庫)

ポオ評論集 (岩波文庫)

ちょっと煮詰まったので、ブログに逃げる。
血圧、上がってる。

『ポオ評論集』を読む。
実作者の評論ゆえ、きわめてプラグマティックに
書かれている。
「詩作の哲学」という論考では、
自身の詩作のメソッドを
大股開きしている。
代表作『鴉』(もしくは大鴉)のできるまでを
公開。で、リフレインの重要性をあげている。


「リフレインほど広く用いられている技法はない」


「リフレインを用いるにあたってたえず変化を加えなければ
ならないのなら、リフレインそのものは短くなければならない」

 

『鴉』では、
「Nevermore」
この一語がハブとなった。

リフレインって楽曲だとリフだよね。
リフを決めてから曲をつくりあげるって
作詩と作曲はパターナリズムにおいて
似ているというのは暴言かな。
循環コードとか。

これってさ、「I'm a Perfect Human」
って首を傾げながら歌うところといっしょ。

ひょっとして現代詩のプロトタイプ、ひな形、
OSもポオからなのだろうか。
はじめ人間ポオ。

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お茶漬けの味

木菟燈籠 (講談社文芸文庫)

木菟燈籠 (講談社文芸文庫)


正月明けの3連休。
これを過ぎてからようやく世間は
通常ペースに戻るのだろうか。

ポオ祭りも岩波文庫の評論集で一応、打ち止めにする予定。
毒出しではないが、違った本が読みたくなる。
で、『木菟燈籠』小沼丹著を読む。
身辺雑記風だが、味わい深いユーモア。
作者の分身である大寺さんシリーズや
師匠である清水町先生こと井伏鱒二のことや
教鞭をとった時代の同僚や妻の入院などのエピソードを
死というゲートウェイを通して淡く描いている。
例によって劇的なことは起こらない。起きてはいけないし。
誰もが経験したことのある、去来する喜怒哀楽を
あっさりと含羞を交えつつ書かれている。
退屈しないで読ませるのだから、名人芸といってもよい。

喪中欠礼をもらったときや
年賀状の短い近況報告で親の介護をしていることを
知ったとき、その人の思い出が浮かび上がる。
定年まで会社を勤め上げた人。
途中で独立してうまくいった人。
そうじゃなかった人。
お茶漬けの味のような短篇集。
この本が講談社から単行本で上梓されたのが昭和53年。
作者が60歳のとき。
もじりだが、「昭和も遠くなりにけり」だ、マジで。

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ポエムにはポオがいる

ポオ詩と詩論 (創元推理文庫 522-5)

ポオ詩と詩論 (創元推理文庫 522-5)

 

ポエム(poem)にはポー(poe)がいる

道玄坂(dogenzaka)には犬(dog)がいる

キャタピラ(caterpillar 毛虫)には猫(cat)がいる

職業柄、こんな言葉遊びが好きで
とりあえず3つ考えた。

『ポオ 詩と詩論』を読んでいる。
訳が福永武彦入沢康夫
音楽でいうと、アーリークラシック。
擬古文調。
ポーの詩がボードレールに与えた影響とか
(佐伯彰一の解説によるとヴァレリーにも)
くわしくは知らない。

ボードレールに感化されたのが中原中也
とすると、ポオ→ボードレール中原中也という系統樹になるのかな。

かつて詩は文学の王だったし、
ポオとて処女作は詩集だし。

ポオの詩と散文(小説)への違いについて、
佐伯彰一の解説から引用。

「詩はもっぱら美をめざす点で、散文より一段と高いが、
真実にかかわる後者の強みは対象の広さ、
展開における知的推論への依拠、論理的な構築性、
さらには数多い読者層に存する。他方、詩については、
その狭溢さは始めから覚悟の上で、ひたすら固有の特権を固守しようとした純粋家のおもかげがポオにはあった」

 

 

現在に至る。
俳句や短歌よりも詩の方が
結社的イメージが強いのはなぜだろう。

作家、編集者として有能だったポオ。
ただし生涯、金とは無縁で
パブリッシャーとなって自分の理想の雑誌を出すことは
夢でついえたとか。
いまなら、クラウドファンディングという手がある。
新しいように見えるが、新しくはない。
ネット版救世軍社会鍋だと思うから。

急ぎのコンペの仕事が入る。

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グダグダ

ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)

ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)


ポオ小説全集 2 (創元推理文庫 522-2)

ポオ小説全集 2 (創元推理文庫 522-2)


ポオ小説全集 3 (創元推理文庫 522-3)

ポオ小説全集 3 (創元推理文庫 522-3)


ポオ小説全集 4 (創元推理文庫 522-4)

ポオ小説全集 4 (創元推理文庫 522-4)


というわけで正月休みは
あっという間に終わる。
帰る家もなくなったので、
あったときにもめったに帰らなかったが。
自宅でグダグダ。

テレビで箱根駅伝をつけながら、
創元推理文庫版『ポオ小説全集』全4巻、読了。
ついでに『ポオ 詩と詩論』を読みだす。
仕上げは、文芸批評。
編集者兼作家として売れる雑誌、話題になる雑誌を
考えていたそうだ、ポオは。
4冊で一通り文学世界を知ると、
怪奇、ミステリー、SF、アドベンチャーものが
面白いのはもういいわかった。
ユーモア、ブラックユーモア小説が
ぼくのツボだった。
『ポオ小説全集-4』の『ミイラとの論争』が、はまった。
ふとしたことで蘇ったミイラ。ミイラとのディベート
『×だらけの社説』。
あまりにも同じ文字を多用する原稿なので
活字が足りなくなってしまった。どう、対処した…。
どちらも、筒井康隆あたりが好きならぴったり!

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