参議院選挙の結果は、ほぼマスコミの予想通り。つまらないので、つまらなくない本を読む。
『詩人キム・ソヨン一文字の辞典』キムソヨン著 姜信子監訳 一文字辞典翻訳委員会訳を読む。
漢字は読むのも、書くのも、むつかしい。で、生まれたのがハングルだそうだ。うろ覚え。本家の中国も簡体字という簡略化したものを使われているとか。
確かに漢字は厄介だ。表意文字であり表音文字でもあるから。
でも、香港あたりの中華料理店の「菜単(メニュー)」が漢字だと意味がわからなくても、なんとなく想像がつく。
はずれもあるが。ところがだ、わからんのだ、ハングルだと。
この本は、そのハングル一文字をあげ、解説がついている。
似たハングルで意味がまったく異なったりする。
その解説が、長かったり、短かったり。洒脱だったり、くすっとしたり、感心したり。
適宜引用。
「독 毒
毒が身体に広がるときは正反対の毒で癒すことができる。
毒を備えもつ生命は毒により自らを守りぬく。
돈 お金モラリストがもっとも愛用する素材。」
解説ばっかじゃなくて、作者や他の詩人の詩が引用されていたりする。
これが、また、いいのだ。
確か、韓国は詩が日本よりも愛されているそうで。
全部でなんと「310個」。辞典に仕上げた作者もえらいが、これを日本語に訳した翻訳者たちもえらい。丁寧な註が、理解度を高めてくれる。
手元に置いてぺらぺら読むと、その都度、新たな発見が得られる。
「100文字SF」が好きな人なら、この「一文字」も、ツボかもね。