『スイミング・プール』を見る。フランソワ・オゾン監督。才能、あるなあ。
シャーロット・ランプリング演じるイギリスの売れっ子ミステリー作家とニンフォマニアの若い娘(出版エージェント?出版社?の社長の娘)がフランスの出版社の社長の別荘を舞台に話は展開される。
昔、バリ島に行ったとき、宿泊していたホテルのプールに白人の女性が二人でいた。
当然母子かと思ったら、仲良くなった現地のボーイが、プールサイドにビールを持ってきてくれて去り際に「レズビアン」と囁いたことを思い出す。
感想などは、いろんな人がブログでエントリーしているんで、
シャーロット・ランプリングのファッションについて。
冒頭シーンでロンドンの地下鉄にトレンチコート姿で登場するのだが、
そのスタイルの決まっていること。カフェでスコッチウイスキーをシングルで頼む。こりゃまたカッコいい。
別荘での執筆。老眼鏡をかけて、たぶんストーリーのネタ帳を開いて、持参したノートパソコンに打ち込む。モバイル用のプリンター(形状からしてcannonか)に出力して推敲を重ねる。執筆時間と執筆環境を妨げられるのは当然好まない。
晴れた日には、くわえタバコでテラスで執筆。
小娘が作品のネタに成り得ると判断するや、さりげなく生い立ちなどを聞き出し、
挙句の果てにメモノートを見つけて、自作に引用してしまう作家の業を違和感なく演じられる知性。
南仏の風景の中をモペッド(小型バイク)で走るシーン。
問題となっているエンディングも、なかなかお見事。
現実がミステリーなのか、ミステリーが現実なのか。
絵空事と非-絵空事がミクスチュアされる。粋っすねえ。
うーん、なんて魅力的。どのカットもアパレルのTVCMのワンシーンのよう。
オゾン監督は現代の婦人科映画監督だ。
『8人の女たち』『まぼろし』は見た。残りの作品もサブスクかレンタルで。
説明しよう。かつて女優などきれいな人をきれいに撮影するカメラマンを婦人科カメラマンと称していた。→秋山庄太郎、大竹省二など。