カーテンの陰に潜んでいるのは?

 

 

『カーテンの陰の死』ポール・アルテ著 平岡敦訳を読む。

 

友人のバースデーパーティーに出かけたマージョリー
はじめて出会ったダンスの上手いピーターにしつこく迫られる。
その気のない彼女は一撃を食らわせ、真夜中の街へ全速力で逃げ出す。
広場に隠れていると、カップルがやって来る。
最初は抱擁でもしているのかと思ったら、殺人だった。
しかも頭皮を剥がされたむごたらしい殺され方をしたことを後日、知る。

 

暗闇の中、犯人らしき男の姿を目撃した彼女。
よく似たいでたちの男が同じ下宿先に入って来た。

 

はい、怖いですねええ。つかみはOK!!

 

この下宿屋(アパート)の面々が、いかにもって感じ。新聞記者のスコット、

変わり者のピアニストのリーマン。医師を引退してヘビードランカーのスタフォード。
作家と名乗っているスミス。眼が不自由な元美容師のドレイク。お一人様のガーフィールド。で、オーナーのハドスン夫妻。

 

好奇心旺盛なマージョリーは、この中に殺人犯がいると目を光らせるが、
その矢先、カーテンで仕切られた玄関でガーフィールドがナイフで刺殺される。
完全な密室状態だった。

 

五階建ての下宿屋を舞台にしたいわばグランドホテル方式のミステリー。


またもやこみいった事件に我らがアラン・ツイスト博士とハースト警部が挑戦する。

寸分たがわぬ殺人事件が75年前に起きていた。その事件との因果関係は。


よせばいいのにマージョリーは、ピーターと付き合い始める。
もっとよせばいいのに、目立たないいでたちで犯人らしき男を追跡する。
で、返り討ちに遭う。言ったこっちゃない。

 

ふだんは良識ある市民の仮面をつけているが、時折、残忍な素顔を覗かせる。
その瞬間を見逃さなかったツイスト博士。

 

最後に真犯人をあげるシーンでは、エドガー・アラン・ポーの『黒猫』への
愛あふれるオマージュが、たっぷり。


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