『ドードーをめぐる堂々めぐり-正保四年に消えた絶滅鳥を追って-』川端裕人著を読む。
ドードーと聞くと『不思議の国のアリス』を連想する人も多いはず。
想像上の鳥かと思われるかもしれないが、実際にいた。
しかし、絶滅してしまった。
今では骨などの標本や復元図などでしかお目にかかれないが
ドードーってどんな鳥だったのだろう。引用で。
「しばしば絶滅鳥類の代表のように言及される、飛べないハトの仲間である。頭でっかちのがっしりとした体型で、体高が60~70センチ、体重も10~20キログラムはあったといわれる。1598年、オランダのファン・ネック艦隊が訪れた際に報告されてから、1世紀もたたずに姿を消した」
作者は、ドードー探検隊の隊長になってドードーの行方を追って世界を駆け巡る。
江戸時代、見世物としても貴重な種でオランダ人が出島に持ち込んで
ラクダ、ヒクイドリ、オウムなどをパレードさせたそうだ。
ドードーがその行進に参加していたのか。
当時の将軍徳川家光はドードーを見たのか。
隊長は資料を漁るが、残念ながら記録には残っていなかった。
後年、日本人のドードー研究者で内外でリスペクトされている蜂須賀正氏。
「ケンブリッジ大学に入学。鳥類研究に没頭」
「19世紀のモーリシャス島で発掘されたドードーの骨を入手て、日本に持ち帰ったことでもでも知られ、その標本は、現在、千葉県我孫子市の山階鳥類研究所に収蔵されている」
彼はラスト将軍・徳川慶喜の孫にあたり、何かしら縁を感じる。
科学的ではないが。
にしてもカラー図版で掲載されたドードーは、いろいろある。
写実的なものからおそらくは想像で描いたようなものまで。
浮世絵で描かれた想像で描いた象が実物とはまったく違ったように。
それはそれで面白いのだが。科学的ではないが。
消えたドードーを追って、新たな真実のシッポがつかめるかと
思ったら、するりと逃げていく。もしくは、羽毛が残るだけ。
まさしく「堂々めぐり」に終わってしまったが、読みながら、ぼくも
隊長とドードーを愉快に追っていた。