再読してピンと来た

 

 

「デス博士の島その他の物語」ジーン・ウルフ著を再読してみた。
来た来た、ピンと。なぜ初読のときは、脳内映像が映し出されなかったのだろう。

 

小説を読むときと、人文系を読むときとでは、違う神経を使っているようで、
いままでは割りとうまくモードの切り替えスイッチングが円滑だったんたけど、
最近は、特に小説を読むのがナンギになる場合が往々にしてある。

とりあえず、3編だけ感想メモ。

 

「デス博士の島その他の物語」
本好きの不幸な男の子が主人公で片時も本が手放せず、その世界に入り込むことで
救われたという話(ネタバレか)。似た思いのある人には、じんとくる。
カバーに引用されている

「だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ…きみだってそうなんだ」

は、しみる。本は何度でもリセットできるが、人生はリセットできない。
そんなことはないと思うが、リカバリーにはかなり時間がかかる。それに耐えられるかどうかだ。なんて。うわっ、説教くせえ~。

 

「アイランド博士の死」
読んでてボリス・ヴィアンの「心臓抜き」や「赤い草」をイメージした。シュールで観念的なのだが、難解にならずファンタジーに仕立てているあたりは、作者の真骨頂かもしれない。萩尾望都が好きな人なら存外、はまるだろう。人物造詣が秀逸。

 

「死の博士の島」
有効な施術対策が見つからず、見つかるまで冷凍(コールドスリープ)させられた博士の話。陳腐なネタになりがちなんだけど、ちゃんとブンガクに高めてある。ここでも本が出てきて、重要な役目を果たしている。

 

暑いんで、買い込んでおいたカップのシロクマアイスをおやつに食べる。
幼児退行現象?いいえ、夜は発泡酒

 

猫は陽だまりで敷皮状態。


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