怖いアラカルト

 

肉食屋敷 (角川ホラー文庫)

肉食屋敷 (角川ホラー文庫)

 

 

 

森会長発言。日本のいや世界の女性を怒らせたのではないか。
町内会長の酒席のたわごとでも、許されないのに。


『肉食屋敷』小林泰三著を読む。
テイストの異なる怖い短篇4篇。いやあ手練れっす。

 

『肉食屋敷』
村はずれにある製薬会社の研究所。元々は地主の敷地だった。トラックに積んだまま放置してあるドラム缶。村役場の担当者がたずねると次々と奇怪なことが起こる。『ジュラシックパーク』のようにゲノムを復元、生物を蘇らせようとした老人。ところが復活したのは地球外生命体だった。強くてタチが悪い。到底人間は敵わない。オチも強烈。


『ジャンク』
無理やりカテゴライズするなら、サイバーパンク・ゾンビ・ウエスタン。主人公はハンターキラー。悪者ハンターと闘う。負傷したらその肉体を機械のように部品交換する。中古パーツを取り扱う「ジャンク屋」や「人造馬」の描写がどろどろぬるぬる、キモくてよい。

 

『妻への三通の告白』
はじめは悲恋の夫婦ものだと思ったが、まさかそんなのは書くわけがない。純愛とストーキングは紙一重。一方的に愛する方から見ればなぜこの思いが伝わらない。一方的に愛される方からすれば迷惑どころか危険。過剰な愛が精神を歪めている、でも、気がつかない。サイコホラーの秀作。

 

『獣の記憶』
多重人格もの。自分の中に違う人格の男がいる。そいつから嫌がらせされている。そしてそいつは人を殺す。でも世間はぼくを犯人と見なす。違う、犯人はぼくの中に巣くっているヤツだ。ところが、真相は…。この作品も最後のひねりが効いていてミステリーとして高得点。


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