『石田徹也遺作集』を読む。つーか、見る。
作者を知ったのは星野智幸の小説『俺俺』の扉カバーだった。
鉄道事故で31歳で亡くなっていたとは知らなかった。
不条理とかカフカっぽいとか奇妙とか形容される。
不気味な絵。薄気味悪い絵。
しかし、そうだろうか。「いま」が表現されている。
たとえばスマートフォンをすばやく操作しているとき、
あなたの指とスマフォは合体していないか。
部屋に引きこもっている若者は
カタツムリのように部屋と身体が一体化していないか。
スーパーマーケットでレジを打つパートさん。
レジスターとパートさんはドッキングしていないか。
片想いがつのって脳内牢獄にあこがれの彼女を
監禁していないか。
自分の殻に閉じこもる人は、チョコエッグか繭の中にいないか。
脱皮した人の脱皮殻が不法投棄されていないか。