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サピエンス前戯 長編小説集

サピエンス前戯 長編小説集

 

 

『サピエンス前戯 長編小説集』木下古栗著を読む。

タイトルからしてベストセラー『サピエンス前史』のパロディ。
3編とも『文藝』にさわりを載せて続きを「書き下ろし」にしたスタイル。
下品、シモネタ…。なぜ著者はここまでこだわるのか。
なぜ読者は作品を読み続けるのか。あらすじを紹介してもしょうがないんだけど、
と、いつも同じ言い回しだな。

 

『サピエンス前戯 その後の展開』
「前戯に積極的でない」日本男性。それに不満を持つ女性のために開発された「クンニ特化型AI搭載マシーン「ペロリーノ」」。なんだ、このネーミングは。国内外でさまざまな賞を授与された。その会社は株式会社サイバーペッティング。「ペロリーノ」の進化と普及を目指す。たとえば「ペンフィールドの脳地図」と「AP型性具の高感度セレクトショップ「青山コックセンター」」。などなどマジとフザケが絡み合っている。お下劣SFというニューカテゴリーか。違う。

 

『オナニーサンダーバード藤沢 その後の展開』
行きがかり上、男(藤沢)の「オナニー」を見せつけられた男の話。男は「立ち飲み屋」で出会った女性と何回か飲んで、いざ彼女のマンションへ。料理とセックスシーンの描写、「やれやれ」の一言。村上春樹のパロディらしい。男二人は「じゃがりこを食べながらの上映会」で干し芋を食べている。規則違反で退場となる。藤沢のおしゃれなマンションへ行く。見てくれと懇願される。イッツ・ショウタイム。コミュニケーション不全と思われる藤沢のそのシーンを回想する男。手には「有機栽培の干し芋スティック」。ウエルベックぽいところもある。

 

『酷暑不刊行会 その後の展開』
酷暑すなわち暑い時期は全社的に休業する出版社の話。マニアックな本好きのために儲けを度外視して装丁にも凝った分厚い高額本を出している某出版社とは関係ないようだ。世界の文学の名作タイトルをもじってエロ本に仕立てたリストには、まいった。笑うしかない。引用しようかと思ったが、止めた。気になる人はそこだけ勃ち読みじゃなかった立ち読みで。ほら、感化されている。エロ動画のタイトルに笑うのがあるが、その比ではない。おカタい本好きの人なら文学への冒涜だと新聞に投稿するかもしれない。

 

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