またブラックウッドを読む

不織布マスク一箱4000円ぐらいであちこちで売っている。
大量に高く仕入れたものが、いま売らないと損だと出回ったのかな。
我慢して買わなきゃいいのに。
マスク以外は、定価でなら手に入る。

うちはコロナ患者が多い区なのでアベノマスク、届いている。
ぼくは支給されたり、買ったマスクがあるので使ってはいない。
 
個人的なチェーホフ祭りで『かもめ』チェーホフを読んだ。
黒テントでの舞台を先に見た。
数回読んでああこれは…と思った。
脳内発酵中。後日、まとまればレビューにて。
タイトルは「新劇の巨人」(仮)。
 
『秘書綺譚 ブラックウッド幻想怪奇傑作集』ブラックウッド著 南條 竹則訳を読む。

数ある短篇から「ジム・ショートハウス」が登場するものをメインに収録したもの。
 
『空家』
イギリス怪奇小説の代表作といってもいいこの話に、ジム・ショートハウスが出て来る。「幽霊屋敷」を叔母と訪れるジム。

「ある種の家は、ある種の人間と同様、のっけから邪悪な性格を示している」

 この書き出しが秀逸。怪奇小説をもしぼくが書くならば、ここを引用したい。

 
『約束』
主人公は「エディンバラ大学の四年生」。落第してもう後がない状態。
死ぬ気で勉学に励んでいた。下宿に深夜訪問者が。
見知らぬ男。怪しんだが、「私立学校の」同級生だった。
容貌が様変わりしていたのでわからなかった。友人を泊めることに。
ところが彼の姿が見えない、でもベッドからはいびきが聞こえる。
 
『秘書綺譚』
作者は作家になる前いろいろな職業を経験していたとか。秘書もその一つ。
作者の分身と思っていいジム・ショートハウスは、主人の依頼でかつての共同経営者を訪ねる。
人里離れた朽ち果てた屋敷。そこで化学の研究に打ち込んでいる。
ショートハウスがドアをノックするとユダヤ人の男が出る。
まもなく現れた元共同経営者は、想像に反してジェントルマン。
と思えたが、徐々に薄気味悪さが見え隠れする。ユダヤ人の召使の奇行も。
 
『小鬼のコレクション』
華やかなパーティーに招かれた若者。パーティーは苦手。
屋敷で着替えていると、金ぴかのアクセサリーが見当たらない。
聞くと小鬼(ゴブリン)の仕業らしい。
姿は見えないが、次々とぴかぴかするものが盗まれていく。
最後の一行が効いている。
 
 
ジム・ショートハウスは、怪しいものに対して鉄砲を手にして立ち向かう無鉄砲なところがある。