- 作者: 片岡義男
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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生みの苦しみ。
膿の苦しみ。
『珈琲が呼ぶ』片岡義男著を読む。
ぼくもコーヒーは好きで
コーヒーメーカーが壊れてからは
毎朝、湯を沸かしてコーヒーケトルに移して
ペーパードリップで1日分のコーヒーをつくる。
この本は片岡珈琲世界。
作者の小説にコーヒーは欠かせないように思えたが。
コーヒーにつきものの神保町などの喫茶店、
ペラで原稿を書くスタイルにあこがれた。
コーヒーの出てくる洋画と邦画。
コーヒーの出てくる音楽。
コーヒーと出版社の人たち。
ソリュブル(インスタント)コーヒーまで出てくる。
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時おりあらわれるカラーやモノクロの写真が
世界を広げる。
とりわけP219からP229までの
お茶の水の総武線・中央線快速と丸の内線の
連続写真がグッとくる。
『珈琲時光』へのオマージュ。
丸の内線は新型車両が再び赤になるようだから、
いっそうフォトジェニックになる。
『マンハント』から『平凡パンチ』のアンカーマンを
していた頃の話。
プロのサキソフォン奏者で『マイナス・ゼロ』などの作者広瀬正との交流。
代田の喫茶店『邪宗門』で常連だった森茉莉の席で
コーヒーを飲んで店を出たら森茉莉が待っていたとか。
まるっきしウィーンあたりのカフェの常連客じゃん。
辰巳ヨシヒロなど漫画・劇画の背景から探る
喫茶店やコーヒー文化への造詣の深さ。
昔はエアコンなんてアパート住まいには高嶺の花で。
夏場はぼくも池袋のジャズ喫茶に逃げ込んでいた。
コーヒー1杯で長っ尻していた。