台風クラブ

不思議なシマ氏 (銀河叢書)

不思議なシマ氏 (銀河叢書)

 

台風が来るとワクワクする。
そんな十代の気持ちを映画にした相米慎信の『台風クラブ』。
フワクをとうに越えたぼくはフワクワク。
近所の土嚢姉妹は土嚢を出すでせうか。

『不思議なシマ氏』小沼丹著を読む。
一般的な作者の作品のイメージは
小津映画のようなものなのだが。
『不思議なシマ氏』は言うなればユーモアのあるフィルムノワール
酒場で出会った謎の紳士・シマ氏。
その正体は。
『剽盗と横笛』はピカレスクロマン。
英国モダン風味がいかにも作者らしい。
『カラカサ異聞』は伝奇小説。
『初太郎漂流譚』はノンフィクション。


この版元から出た未刊作品集は
とりわけファンにはありがたいもの。
大島一彦の解説によれば
「面白い話」に燃えていた時代の作品だそうで、
ジャンルは異なるが、
面白さで括れる。
ここまで器用な作家だったとは意外。
娯楽作家で書き飛ばすこともできたと思うが、
結果は知る人ぞ知るユーモア私小説作家になってしまった。
大学教授もしていたので
書きたいものだけ書くというスタイルだったのだろうか。


興味を覚えた方は拙レビューを。

 

『春風コンビお手柄帳』

 

『お下げ髪の詩人』

 

『木菟燈籠』


『更紗の絵』

 

『黒いハンカチ』

 

 

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