猫を思うて何が悪い


『猫の文学館 2』和田博文編を読む。
2は猫の死や猫の霊、化け猫など
悲哀にあふれた猫アンソロジー。

名だたる文豪が飼い猫がいなくなって、亡くなって
臆面も泣く、泣く。
佐藤春夫の『愛猫知美の死』では、
親族が亡くなっても涙は出なかったが、
愛猫が亡くなったときは、とめどなく落涙したと。
内田百間(けん 間じゃないけどね)の『ノラやノラや』。
チラシなどでノラの行方を追う。
しかし見つからない。連絡があっても結局誤報
ノラを思うと止まらない涙。
阿房列車』でおなじみのヒラマヤ山系もちらと出て来る。
近松秋江の『子猫』も愛猫家ぶりでは負けていない。
これぞ猫っ可愛がり。
相撲の可愛がりじゃなくて。

筒井康隆の『飛び猫』『池猫』『群れ猫』は、
見事な奇想短篇。
絵本かアニメーションにしてもいい。
草野心平の『山猫ビーブリ』と
宮沢賢治も『どんぐりと山猫』。
ラップバトルならぬオノマトペバトル。
萩原朔太郎の『猫町 散文詩風な小説』は、
松本隆のルーツだよな。
それから、どうしても、ますむらひろしの猫漫画を思う。

でも、最後の編者エッセイがぼくにはいちばんしみた
ような気がする。

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