- 作者: 和田博文
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/06/06
- メディア: 文庫
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『猫の文学館1』和田博文編を読む。
ちなみに1はローマ数字。
はてなでは文字化けするんで、なぜか。
猫好き作家の猫について書いた作品のオンパレード。
日本の作家編。2は西洋の作家編か。
3は漫画家編か。
大佛次郎が元祖猫猫先生だったとは。
獅子文六とは違った味わいの洒脱さ。
いつも10匹以上の猫がいたとか。
昔は猫がもらわれてくるときは、
持参金代わりにかつお節3本が添えられていたことを
いろいろな作品から知る。
寺田寅彦は科学者らしい視点から
猫の習性や行動を観察している。
幸田文は猫をテーマにしても
なんだか最後は人生訓めいた話になる。
内田百間(けん この字もアカン)は猫がしゃべれたらという
らしい、なかなかシュールな話。
猫の話は家に来たときや幼いころの話と
晩年の話に大別できる。
あんなにやんちゃで食いしん坊だったのに、
最期は動きも緩慢でトイレもわからなくなった。
ぼくの猫への思い出もおんなじ。
そう思う飼い主も同じ道を進んでいるのに。
病気になると昔は猫をどこかに捨てにいっていた。
猫捨て山や猫捨てガ原が全国にあった。
でも帰って来た猫の話がのっている。
村上春樹は『人喰い猫』がおさめられているが、
違和感を覚える。
うちの猫は寒い時期は
妻のベッドにこっそり潜り込んできた。
そしてど真ん中で寝る。
追いやろうとすると唸ったそうな。
さすが、猫。