高架線 上昇せん

高架線

高架線


確定申告書、書き上げてから大きなミスに気づく。
用紙をPDFで出力して書き直す。
で、昨日、朝イチで提出に行く。
ぼくの区は何年か前からアウトソーシングしている。
だったらついでに土日も受付ればいいのに。

『高架線』滝口悠生著を読む。
ボロいけど風呂・トイレ付きで格安家賃のかたばみ荘が舞台。
歴代の住人は不動産屋を通さず紹介で入るから安いのかも。

アパートの住人や大家も出ては来るが、
コアはあくまでもその一部屋の住人。
大学を中退してミュージシャンを目指すが、
現実的な将来を見据えて、でもないか。
料理の専門学校へ入り、居酒屋チェーンに就職した男が失踪する。

彼はうまく立ち回れるタイプではないので
やり手の年齢差のあまりない
上司からパワハラまがいのことをされていた。
パワハラと厳しい指導の線引きはどこに。

行方を追う友人、消えた男の先代の住民。
その住人たちと関わりのある人たちの語りで構成されている。
「〇〇〇〇〇です」と登場人物が名乗りをあげてからの
語り口が絶妙。
デジカムで日付とかまんまイキにした
偽ドキュメンタリー風小説。

友だちの友だちは友だち?
SNS的な見え方、つながり方がなうに思える。
目のつけどころがいいね。
失踪した男は見つかるのか。
なぜ失踪したのか。

最後の最後でかたばみ荘の終焉と
大家の秘密などが暴かれるが
これは評価がわかれるところ。

個人的には前の住人がかつて文通をしていた
看護婦の正体が気になるけど。
恥ずかしながら文通してました、自分も…。

西武池袋線沿線にあるかたばみ荘。
上京後、予備校生、大学生、社会人と
長く暮らして利用していた線だけに風景が浮かぶ。
まだ高架にはなってなかったけど。

人気ブログランキング